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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十六話『総力結集、少女たちの戦い』
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を打ち砕こうと、二刀に力を込める。
そのこだわりが甘かった。
無人機は着いた両の拳の内、左の拳の戒めを解いて、それを鈴に対して振りかざした。
その気配に気がついた鈴だが、近距離加速で逃げようにも、既にタイミングを逸していた。
しまった――
そう戦慄し、全身に打ちつけられだろう痛みを予期し、恐怖する。
ところがその拳は下ろされず、代わりに碧緑の閃光が拳に命中し、小さな爆発を起こす。
恐怖から我に返った鈴は、その隙を狙って近距離加速でその場を離脱した。
見れば、箒が肩のビーム砲で無人機を牽制し、その周囲を旋回していた。
「無事か、凰っ!?」
離脱に成功して無人機の周りを旋回する鈴に、箒は近付いて声をかけた。
「あ……、あれぐらい、自分で避けれたわよ……!」
箒の心配を、鈴は無用のお節介と言わんばかりに、憎まれ口で返す。
「だからあれほど独りで突っ込むなと……!」
「うるさいわねっ、誰に命令してんのよっ?!」
箒に忠告の無視を咎められたことに、鈴は反発を覚えて言い返す。
「お二人とも、いい加減にしてくださいませ……!!」
そこに、低空を飛びながら二人に追いついたセシリアが、ケンカの抑止に入った。
「今、わたくしたちが優先すべきは、あの無人機を止めることではございませんの……!?」
「アンタもしつこいわねぇっ、あれぐらい私だけで……!!」
色々とイライラが溜まっているらしく、セシリアにも噛みつく鈴。
「あら、それにしてはずいぶんと、見事な不意の突かれ方でしたわねぇ?」
「ぅぐっ……」
セシリアにしれっと態度で痛いところを突かれ、鈴は思わず黙り込んでしまった。
「何か方法はないか、セシリア?」
箒はセシリアに対し、率直に無人機への対抗策を尋ねる。
それに対し、セシリアは少し思案した後、二人を『目からビーム』の予測射程範囲外に誘導し、そこで二人を停止させた。経験を積んだ射撃手だからこそなせる業である。
無人機はというと、標的を射程外に逃したことを歯牙にもかけず、仕切り直して一夏に向かって亀の歩みをはじめた。
「ちょっと、ナニ離れてんよ。あれじゃ、一夏が……っ!?」
「いいえ、大丈夫です。次で終わらせますから……!」
鈴の非難を尻目に、セシリアは死に体を引きずる無人機を見据え、決然と言い放った。
「それで、どうするつもりだ……?」
箒の問いに、セシリアは自身の論を語りだす。
「現状でクリアすべきは、あの局所バリアーシールドの盾ですわ。あれはたしか、大気圏突入に耐えるために考案された特殊機能で、その気になれば、大型荷電粒子砲からの砲撃にも耐え抜く力があると聞いたことがあります。
一対一で戦ったところで、おそらく微々たるダメージしか入らないでしょうね……」
「ナニよそんな機能、聞いたこと無いわよ…
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