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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十六話『総力結集、少女たちの戦い』
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追いかけた。
「おいっ……、待てよ二人とも……!」
せっかく収めたケンカだったが、一夏の努力の甲斐無く、二人を飛びださせる結果に終わった。
「ほっとけ、痛い目を見たらアイツらの責任だ……」
悪人のような面構えで機嫌を損ねる修夜に、一夏はもう何の言葉も思い付かなくなった。
とっさにセシリアに顔を向けて助けを乞うも、頼みの綱は疲れた顔でかぶりを振った。
そこを何とかと、一夏は合掌して拝むジェスチャーをすると、しぶりながらもセシリアは「フォローしてきます」と小さく言い、二人のあとを追っかけてくれたのだった。
(お願いだから、みんなまとまってくれよ……)
このときばかりはこの唐変木も、こめかみがズキズキと痛む感覚に襲われたのだった。

――――

死に体を引きずりながら、三秒に一メートルの歩幅で目標ににじり寄る無人機。
先ほどの暴発で、エネルギー系列に支障をきたしているらしく、もはやスラスターも歩くためのバランサー程度の役目しか担えていない。
その眼前に、赤紫の装甲をした第三世代型ISが迫り来る。
「食らいなさいっ!!」
空間衝撃砲【龍砲】を連射モードに設定し、鈴は無人機に向かって衝撃の雨を浴びせかける。
対して無人機は拳を地面につけて前かがみになり、ここに来て隠していた“局所(フェイス)バリアーシールド”の能力を解禁し、衝撃の雨を防いでみせた。バリアーシールドを全身ではなく、ある一面に集中させることで鉄壁の盾を生み出す力である。
「生意気なヤツ……!」
悔しげに無人機を睨みつけた鈴は、ならばと二刀一対の青龍刀【双天牙月(そうてんがげつ)】を構え、接近戦に持ち込む体勢に入る。
それを見た無人機は、今度は残った右目から赤いレーザーを放ち、牽制しはじめた。
「うざいヤツね……!!」
そう吐き捨てると、背部のブースターに仕込んだ特殊機能【短距離加速(クイック・ブースト)】を起動させ、跳ねまわるウサギのように、ジグザグの軌道でビームを避けながら近付いていく。
【近距離加速】は接近戦向きの機体に持たせる機能の一種で、四〜七メートルほどの短い距離間で加速をおこない、機敏な回避運動と攻撃のチャンスを生むために考案された。鈴のIS【甲龍(シェンロン)】には、まさにうってつけの機能なのだ。
双方の距離、およそ十メートル。
鈴は双天牙月を左で“二”の字に構え、斬撃を繰り出そうとする。
「こんのぉ……、くたばれぇっ!!」
近距離加速で勢いを付け、一気に斬り込んでいく鈴。

二刀双閃。
体の軸回転も利用して、和太鼓を打ち込むように、双天牙月を振り抜いた。

だが、当たったのは局所バリアーシールドであり、無人機に攻撃が通ることはなかった。
赤く妖しい光を放ちながら、鈴の刃を防ぐバリアーシールド。
鈴も躍起になってそれ
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