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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十六話『総力結集、少女たちの戦い』
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にかくみんな無事なワケだし、あとは拓海がシステムを――」
一夏が言いながら、場を収めようとしたそのときだった。

――ぎしゃり

その背後から、この場の一同が“聞きたくない音”が、聞こえてきた気がした。
ギアとマニピュレーターが駆動する機械音。
その次に聞こえたのは、土埃を吹き飛ばしながら噴かされる、スラスターの稼働音。
全員が、その音のする方向を、恐るおそる振り返る。
「……おい、冗談だろ」
「マジかよ……」
「そんな……これって……」
「こんなことって、あり得ますの……!?」
「何なのよ、アレ……!?」
そこに立っていたのは、爆発で全身をボロボロにしながらも、なおも立ちあがる所属不明機。
ただし、一同が驚いたのはそこだけではなかった。
先ほどの爆発で、頭を覆っていたアーマーのヘルメットが半分に割れて落ち、四つあった目の左二つが欠けていた。
その欠けた左側から覗いていたもの、それは――


 機械部品の塊と、ショートしかけた配線の束

 あるべき“生きた操縦者の頭”が、そこにはなかった


「……“瓢箪から駒”ってか……!?」
笑えない冗談に、修夜は思わず引きつった笑みを浮かべる。
「本当に……【無人機】……でしたの……!?」
「何の冗談だ、これは……!」
セシリアも箒も、目の前の現象に愕然とするしかなかった。
「マジかよ、マジでロボットだったのか、あの真っ黒野郎……?!」
「ナニあれ、気色わるっ……!」
そして一夏も所属不明機の正体に驚愕し、鈴は敵の正体を見て生理的な嫌悪感も催す。
全身を引きずるかのように、フラフラと前へと進む、所属不明機改め“無人機”。
その動きも、もはやSFホラーのゾンビさながらに、緩慢で不安定なものだった。
操縦者らしきものが着る破れたISスーツの切れ目からは、人間の肌とは考えにくい、銀色に鈍く光る物体が見えており、露出した肩はマニピュレーター状で、そこから血というよりは油のような液体が流れていた。
全身の装甲の隙間から、煙と回線のショートする音が漏れ出し、二つの肩のビーム砲は暴発で潰れ、腕の砲門も亀裂が入って使いものにならない状態である。かろうじて右腕は無事だが、青い火花が激しく散っている様子から、撃てば暴発は必至であろう。
それでも、無人機は進撃をやめない。
怨念が取り憑いた甲冑のように、死してなお血肉を求める死霊の如く……。
残った右目を炯々(けいけい)と光らせ、ただ無言で五人に押し迫る。
()(たい)を引きずるその不気味な姿に、修夜たちは例えようのない不気味さを感じていた。
「ホントにしつこいわね……!」
そんな中、真っ先に一歩を踏み出したのは鈴だった。
「お、おい、鈴……!?」
「あれだけボロボロなら、もう一発ぐらい決め
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