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ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
1:酒場にて
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笑う棺桶》と関連のある可能性も踏まえ、早急な対処が望まれている……



「――ってな内容だ。キリトには、ユニコーン討伐も兼ねてこの死神野郎を調査して貰いてェ。言っとくが、あくまで『調査』だけだ。なんてったって、ラフコフの生き残りの可能性が……」

「いや、その可能性は無い」

 俺はキッパリと遮った。
 訊きたい事は多いが……現状までの話を聞くに、少なくとも死神はラフコフに所属する生き残りではないという確信が俺にはあった。それは、かつて俺がこの中で唯一、ラフコフとそのリーダーに対峙した故あっての事なのだろう。
 案の定、二人共「何故そう言い切れる?」と顔で問いかけて来るので、俺は手で作ったピストルでこめかみを押さえながら答えてやる。

「簡単さ。……ヤツは話の中では一度も殺しをしていない。相当な力と殺意を持って幾度と無くパーティを襲っているのに、被害者全員が生存しているってのはどう考えたっておかしい。ヤツはプレイヤーを襲う犯罪者ではあっても、PK――レッドプレイヤーじゃないんだ。もしヤツがラフコフのメンバーだったら、誰一人逃がさずに殺してる」

「ああ、なるほど……」「確かにそうだな……」

 同時に納得する二人に、俺はそのピストルを向けた。

「何度も襲撃しておいて一人も殺していないってことは……多分、今までも人を殺した事がない……いや、殺せずにいるオレンジプレイヤーなんだろうが……だからといって安心も出来ない。もしかすると、ラフコフの生き残りから死神への入団の勧誘があるかも知れない。――その死神とやらの、不気味なまでの……外見、強さ、行動の危険性、不可解さ……」

「……ああ。死神の謎は多いが、アイツらがただ指を咥えて放っておく筈が無い。ラフコフも一度崩壊して、有能な人材を欲してるだろうし、若しくは……組織に有害な人物は、早めに消しておきたいとも思ってるだろうしな」

 最後にエギルが俺の言葉を引き継ぎ、皆で頷いた。
 ここで一度、《笑う棺桶》の話題を出してしまった事による気まずさを払拭するように、三者三様に料理に舌鼓を打ち、喉を潤した。
 ………
 ……
 …

「ったく……俺が話しておいてなんだが、本当に不甲斐ねェ話だ……。ユニコーンの討伐ってのは建前で、それを狙うタダでさえ危険なヤツいて、しかもソイツがラフコフに関わる可能性まであるから、テメーじゃ歯が立ちませんっつって、終いにゃ腕の立つダチに調査を頼み込んで危険を承知で向かわすなんてよ……笑えねェ……」

 クラインは空になったグラスに今度はウィスキーをストレートで注ぐ。トクトクと優雅な音が流れるも、その表情は悔しげだった。

「……実はな、最初の被害にあったギルドは、俺や俺のギルメンのダチも多く所属してる友好ギルドなんだ。だから良
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