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ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
1:酒場にて
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が見えてきた。が、同時に解せない事もまた浮き彫りになってくる。

「……クライン、そろそろ全貌を話したらどうだ? 話を聞いてきたが、俺が出なきゃならない決定的な理由が無いじゃないか。確かに逃げ足のあるモンスターってのは分かったけれど、それもギルド員総出で探して、発見したらワープする前に全員で一斉に飛びかかれば、別に隠蔽スキルや索敵スキルに特化してないお前達でも狩れる可能性は充分に高いだろう。それに、なんだかんだで今までに九体も狩られているんだ。それなりの対策でもない方がおかしいし、ここまで調べたのならその対策もお前なら知ってる筈だ。……なによりもクライン、お前が俺にわざわざ依頼事っていう異常事態を説明できる要因が、まだ出てきてないと思うぜ?」

「……………」

 クラインが一瞬目を見開いた後、少し顔を伏せ沈黙する。
 ……顔でも嘘をつかないこの男を、俺は本当は心の底から尊敬しているが、これでいよいよ話がキナ臭くなって来た。

「……なぁ、クライン。別に急かしてる訳じゃないが、聞かせてくれ。そこまで用意周到に下調べしておいてそれでも尚、俺に依頼したいのは一体どうしてだ?」

「あー……えっとな……」

「ま、ヘンに鋭い所は流石、黒の剣士様って所か。……クライン、事情は分からんが……何か隠してんなら、話してやれよ」

「……けど、よォ…」

「それとも、やっぱりオレが居たらマズイ話だったか? だったら外すぜ」

「い、いや大丈夫だ旦那ッ……居てくれていい」

 気遣う笑顔で席を立ちかけたエギルを引き止めるクラインの顔は依然として暗い。エールで唇を湿らせて一拍置いた後、長い溜息をついてから、観念したように顔を上げた。

「……確かに、そうだな。別にハナから隠すつもりはてんで無かったし、どの道…遅かれ早かれ『この噂』を知った時点で、キリトには近い内に話すつもりだった」

 そして、あまり口にしていなかったタンブラーの残りを一気に煽ってから……焦点の合わない目でテーブルの中心を真剣に見つめながら、短く呟いた。


「――《笑う棺桶(ラフィン・コフィン)》。」


「「……………」」

 たったその一言で、今度は俺達が沈黙する番だった。俺は表情を凍りつかせ、エギルも席に再び座りかけの体勢で静止していた。 
 《笑う棺桶(ラフィン・コフィン)》。ラフコフという略称でも名が知れ渡ったSAO史上最悪最凶のPKギルド。かつて俺が、相手が殺人者とはいえ……俺と同じ血の通った人間のプレイヤーを斬り伏せた感触が両手に蘇り、背骨が氷柱に入れ替わったかと錯覚するほどの悪寒が全身に走る。

「この件に、ラフコフが関わっている可能性が、あるんだ……。しかも、厄介なのはそれだけじゃない」

 エールで潤したはずの
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