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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十五話『雲間に蛍、危機に嵐』
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漆黒の怪物が赤い目を光らせ、三人の少年少女を見据えている。
「一夏、セシリア、気合い入れていくぞ……!」
「はいっ!」
「おぅっ!!」
――――
一旦戦線を離脱した箒は、すぐさま
拡張領域
(
バススロット
)
内の武器の検索に入った。
――まではよかった。
「……な……なんだこれは……!?」
ISに思念を送り、拡張領域を検索する画面で表示されたの――
≪Q. ナツ ハ ヨル≫
≪Please your answer !≫
たったこれだけの文字。
その下に、三つの空欄が存在し、肝心の焔備を示すものが一切なかった。
「『ナツ ハ ヨル』などと言われても……、いやいや、そもそも肝心の武器が……!?」
人が急いでいるときに、こんなクイズを出されても苛立ちが募るだけである。
(一体、どうすれば……?!)
ここに来て、こんなワケのわからないものに引っ掛かり、戦力外になるのでは、自分の復帰を信じる三人に申し訳が立たない。それだけは避けたい。
意味不明な画面を睨みながらも、箒はここに来て肚を括った。
「……えぇいっ、四の五の言っている場合か!!」
拡張領域を呼び出してこのクイズが出題されたということに、箒は無理を承知で意義を見出そうと、頭を回転させはじめる。
「こうなったら、とことん付き合ってやる!!」
遊んでいるようにしか見えない状況だが、一刻も早く三人を助けたい。
その思いで、記憶の回路をフル回転させ、答えを探し出す。
(どこかで聞き覚えが……、どこかで……!?)
焦るほどに脳回路は膠着し、考えが鈍っていく。
「ナツ ハ ヨル……。ナツ ハ ヨル……、夏……」
口に出して呟き、必死に解を求め続ける。
(思い出せ、思い出せ、私……!!)
――ねぇ、箒ちゃ〜ん
一瞬のことだった。
脳裏に浮かんだのは、久しく見ていない“ある人の顔”。
その人がいつか、自分に語った言葉……。
「……『夏は夜。月の頃は更なり、闇もなお、蛍の多く飛びちがいたる。』
『また、ただ一つ二つなど、仄かにうち光りて行くもおかし。』」
『雨など降るもおかし』……」
清少納言『枕草子』、その序文の二節目。
いつの日か、その人が戯れに語ったその言葉が、箒の口から紡がれる。
すると――
≪That's right !! Present for you !!≫
≪螢火 -KEIKA-≫
≪更月 -SARATSUKI-≫
≪雨垂 -AMADARE-≫
≪闇行 -ANGYOU-≫
「これは……」
画面が切り替わり、そこには二刀一対の実体刀と、肩のユニットが展開されて出現する砲塔、そして背中に増設された小型の四機のスラスターが表示されていた。
呆けている間に、その画面のさらに上から、別の画面が表示
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