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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十五話『雲間に蛍、危機に嵐』
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しかねぇ……!」
修夜の悔しげな様子に、女子二人も言葉を続けることができなかった。
《エネルギー収縮、急上昇。来るよっ!!》
「一夏っ、構えろっ!!」
「行くぜっ、【零落白夜】……発――」
緊張が最高に高まったその一瞬――


――ずがしゃあぁんっ!!


突然、所属不明機は何かにぶつかったように、横に向かって吹き飛んだ。
所属不明機は、そのまま慣性に従い、地面に倒れ込んで転がっていった。
さらに運の悪いことに、うつ伏せに倒れ込んだ所属不明機は、発射寸前までため込んだエネルギーを地面に向けて暴発させ、自爆。そのまま大爆発とともに空中高く舞い上がったのち、地面に仰向けに叩き付けられて倒れた。
全員が、突然の状況に唖然とする中、地上に見慣れた影が一つ、ぽつりと浮かんでいた。

「あ……あれって……」

赤紫のメインフレーム、刺々しい非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)
強気なまなざしに、活発な性格を端的に表す黄色いリボンのツインテール。まとまった愛らしい顔つきは、大切な決闘を邪魔されたうえに、厄介事に巻き込まれ、さらに最もムカつくヤツに散々なじられた結果、くっきりと眉間にしわを刻んで険しくなっていた。
その手には、所属不明機を吹き飛ばして帰ってきた二刀一対の青龍刀・【双天牙月(そうてんがげつ)】が、ツインブレード状態で握られている。
「「鈴っ!?」」
「「(ファン)(さん)っ!?」」
全員が声を上げて驚嘆した。
先ほどまで、散々ぐずって協力を惜しんでいた修夜と一夏の幼馴染、凰鈴音(ファン・リンイン)が、先ほどの態度がウソのように堂々たる佇まいで立っていた。


「……まったく、いい加減にしてよね……!」


台風少女は、そんな愚痴をこぼしつつ、静かに闘志を燃やしはじめた。

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