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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十五話『雲間に蛍、危機に嵐』
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を仕掛ける。
その行動に反応し、再び上へ逃げようとする所属不明機。だが、そこを再びセシリアがビットによる射撃で抑え込みにかかった。
「上には逃がしませんわっ!」
一夏と箒、所属不明機の距離――ともに四メートル。
所属不明機はビットの掃射に抑え込まれ、身動きの取れない。
――これで終わりだ
全員が強く願い、確信をもって斬撃の一瞬を見守った。
だが――

「な……っ」
「ぅわっと……?!」

突然、所属不明機は糸の切れた人形のように、その場から落下を開始した。
そのせいで、決まるはずだった同時攻撃は、あえなく空振りに終わってしまう。
しかし次の一瞬で、所属不明機は再びスラスターを地上付近で再点火し、軟着陸する。
「おいおいおい、あんなのアリかよ……!?」
修夜はその行動に、思わず顔をしかめて歯噛みした。
どこまで追い詰めても、しぶとく生き抜く未知の敵。
今度はその敵が、脇をしめて拳を構え、肩と腕の砲門にエネルギーを集約させはじめる。
《マスターっ、圧縮された高エネルギー反応が……!!》
「分かってる!!」
《聞いてっ、アレが撃たれると、遮断シールドに甚大な損害が入って、今度こそ観客席に被害が出ちゃかもしれないんだよっ?!》
「なんだとっ……!?」
シルフィから告げられた非常事態宣言に、修夜は思わず動揺した。
「防ぐ方法は……!?」
《たぶん……、一夏が白式で【零落白夜(れいらくびゃくや)】を全開で使えば……、なんとか……》
最悪の二択である。
このまま回避して、観客に被害が及ぼすか。
一夏に託して「零落白夜」を使わせ、せっかく補給したエネルギーを空にし、戦力から外すか。
(くそぉ、どう転んでもヤツに有利にしかならねぇじゃねえか……!)
セシリアに狙撃を頼むか。しかし、狙いを定めている間にチャージが完了する可能性がある。
なら誰かが突っ込むか。それこそ、ビームの餌食であり、側面から迂回する余裕はない。
「修夜っ、あれってヤバいんじゃないのか!?」
一夏が深刻な面持ちの修夜に、核心を突いた一言を放つ。
(……背に腹は代えられねぇか、畜生っ……!!)
苦渋の決断を、修夜は下した。
「一夏、シルフィによれば【零落白夜】で全力で突っ込むしか、アレを防ぐ方法は無いらしい」
会場中の全員を巻き込むより、苦渋の果てに本懐を達成するべきだ。
「あとの心配はいい、アレをどうにか止めてくれっ!!」
“切り札”はまだ残っている、最後はそれに賭ければいい。
「……分かった。修夜がそう言うってことは、よっぽどヤバいんだよな……!」
ことの危険性を察し、一夏は反論せずに所属不明機に向かい合い、雪片二型を構えなおす。
「いいのか、修夜……!?」
「修夜さん……」
「……観客席に被害が出るかの瀬戸際だ、やる
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