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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十五話『雲間に蛍、危機に嵐』
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問うた。
「さっき、私とセシリアのコンビネーションで、痛打を一発……」
「そこに俺と一夏のコンビネーションで、さらに……ってなると……」
「もう、半分以上はシールドを削ぎ落していておかしくないはず……。
いいえ、むしろ箒さんがアレだけのお力で振るった一太刀を受けて、先ほどの攻撃なら、試合形式のIS戦なら、とっくにシールドエネルギーが尽きていてもおかしくないはずです……!」
女子二人でものにした乾坤一擲の太刀と、男二人のコンビプレーを受けてなお、一向に衰えを知らない所属不明機。
「まったく、本当にバケモノみたいだな……?!」
修夜の脳裏に、苦々しい記憶の一片が想起された。
(このタフさ加減、無感情なぐらいに冷たい雰囲気、まるで……!!)
「……っていうか、アレ本当に人間が操縦してんのか……!?」
一夏が、ほろりとそうこぼした。
「……何を言い出すんだ、一夏。あんな動きができるなら、どう考えても……!!」
その一言に、箒が反論する。
「でもさぁ、お前がセシリアとデカイ一発を入れて、俺と修夜があの攻撃入れて、普通の人間なら、ショックで気絶していていもおかしくないぐらいだぜ……!?」
「ですが、ISには絶対防御による生命保持の機能もありますわ。一概にそうとは……」
セシリアも、一夏の意見には懐疑的だ。
何せISは“人間”、しかも一夏と修夜という例外を除けば、“女性”にしか操縦できない。
仮に“別の何か”が操縦しているとするとしても、候補に当てはまるものは見当たらないのだ。
「……箒、セシリア、痛打を与えたって言ったが、どんな感じにだ?」
修夜は眉間にしわを寄せながら、二人に質問をぶつける。
「え〜っと……、まずセシリアがビットでカタパルトの下のフェンスまで追い込んだあと、私が逃げ場をなくしたヤツに飛び込んで……」
「そのあと、そこから逃げられないようにビットで上空から掃射をしかけまして、数発当たって怯んだところを、箒さんがバッサリと……」
二人は顔を見合せながら、そのときの状況をざっと振り返った。
「一夏、お前はどうして、囮役を買って出たんだ?」
今度は一夏に問いかける。
「どうって……、ひたすら“俺だけ”を狙ってくるから、必然的に囮になったというか……」
二人の戦いは、モニタールームから窺うことができたが、その経緯までは分かっていなかった。
「一夏さんだけを、ですか……?」
「うん、鈴には攻撃したときに、たまに反撃するぐらいだったし……」
その一夏とセシリアのやり取りを聞いて、修夜はますます怪訝な様子で考えはじめる。
「……変だろ、どう考えても」
修夜がぼそりと呟く。
「変って……」
箒が尋ね返す。
「あのビーム砲での大火力、あの巨体での瞬発力と機動力、ISを殴り飛ばすほどの腕力……。
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