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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十四話『“信じる”という言葉』
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前、つくづく【見下げちまった】な」
「……っ」
「おいっ、修夜ぁ!!」
一夏には悪いが、ここは敢えて突き離させてもらう。
ここまで言われて黙って引き下がるなら、コイツは本当に“変わっちまった”んだろう。
でも、そうじゃないなら……。
「行くぞ、一夏……!」
俺は一夏をせかすために、短く声をかける。
一夏の方は苦い表情を浮かべたまま、RESDのボンベを補給口から引き抜き、地面に転がした。
そして後ろ髪を引かれている様子で鈴に背を向け、戦う箒とセシリアに視線を合わせる。
「……信じてるからな、来てくれるって……!」
小さく言い残すと、何かを振り切るように、一夏は俺よりも先に、所属不明機を相手に奮戦する二人のもとへと飛び去って行った。
俺も鈴を一瞥し、そのまま一夏の後を追った。
――――
アリーナの片隅、二人の少年が去ったその場所。
そこに残された一人の少女は、RESDのボンベを握りしめながら、ただただ立ち尽くしていた。
自分の思ったように、我を通しただけのはずだった。
自分から損をするなんて、あとで自分が苦しくなるだけ。あの人のように。
その結果が、今の自分に繋がっている。
そんな自分から傷つく生き方をするなんて、馬鹿げている。
身近な人間への迷惑なんて顧みていない。
馬鹿だ、本当に馬鹿だ。死んでも直らない、大馬鹿だ。
他人なんて、放っておけばいいのに。
――全部ほったらかして逃げて、そのあとにお前はどうするつもりだ
――信じてるからな、来てくれるって
なのに、なんで……。
何でこんなに、こんなにも……!
なんで、なんで、どうして……!?
「……あたしは――」
――――
IS学園・第二アリーナ、バトルフィールド内――
BとD、二つのカタパルトから飛び出した三つの機影。
内、鉄色と蒼色の機影はすぐさま所属不明機に食らいつき、戦闘を繰り広げていた。
「逃がしませんわ!!」
速力と機動力に長けるセシリアと『
蒼い雫
(
ブルー・ティアーズ
)
』は、所属不明機を追尾しながらビットによる遠隔攻撃を開始する。だが、まるでビットの来る位置が分かっていたかのように、すぐさま体をひねり込んで斜め下へと下降、下降の勢いで再加速しながらUターンし、ビットをすれ違いざまに振りきってしまった。
「な……なんて急旋回ですの……!?」
俗に『スライスバック』と呼ばれる空中戦闘機動、つまり戦闘機の旋回方法の一種だ。
本来ならもっと広い場所と高度を必要とする技だが、所属不明機は遮断シールドの境界すれすれまで加速してこれを敢行し、あえて地面から数メートルもない軌道を選んだ。
狙いの先は織斑一夏、ただ一人。
「行かせるかあぁぁあっ!!」
所属不明機に逃げられた後に、地上で待機
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