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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十三話『救出への灯(ともしび)、その光と影』
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る。
あのときみんなは、私を何の疑いもなく信じてくれた。
なら私は、みんなに応える義理も意地もあるべきだ……!

「箒、俺は強くなるぜ」
修練中での一夏の一言がよみがえる。
「俺は強くなる。千冬姉の真似でも篠ノ之流剣術でもない、俺だけの強さで……!!」

一夏も、みんなや私を待って、必死で戦っている。
凰だって、一夏とケンカ中なのを承知で、一夏の作戦に加担してくれている。

解放されたハッチから、アリーナ中の悲鳴が、少しずつ耳に届いてくる。
専用機じゃなくてもいい、今はアリーナ中のみんなを、少しでも早く助けるんだ――!!

「待っていてくれ、一夏、修夜、みんなっ!!」


≪*【Infinite Stratos】* 第二世代型・量産機「打鉄-Uchigane-」 ――発進準備完了≫


「1年1組、篠ノ之箒、いざ尋常に……推して参るっ!!」


――――

第二アリーナ・Cカタパルト側観客席――

謎のISによる襲撃に混迷を極める中、少女――布仏本音は、狂乱する群衆が押し寄せる出入口から、少し離れた位置のスタンドの中ほどで、自分とともに1組対2組の試合を観戦していた友人に寄り添い、声をかけて勇気づけていた。
「大丈夫、――ちゃん……?」
「……ご…ごめん、大…丈夫……だから……」
精一杯気丈に振る舞って見せているようだが、友人は顔が青ざめ、呼吸も心拍も乱れ、全身を丸めるようにして地べたに座り込んでいる。手は祈るようにして固く組んでおり、その手も混乱と恐怖で震えている。目尻からは、涙が頬から顎まで伝って滴っている。友人は完全に怯えきっていた。
無理もない。
前代未聞の恐怖を前に、恐れを覚えない人間はいないものだ。
遮断シールドを撃ち抜くほどの凶悪な力を持つ不気味な侵入者、その力によっていつ破られるかもわからない遮断シールド、シールドやフィールドに炸裂して爆炎と轟音を立てるビーム攻撃……。

――死にたくない

誰もが皆、生存本能からこの状況に震え上がり、ある者は竦んで動けなくなり、ある者は悲鳴を上げて狂乱し、あるものは必死になって逃げようと出入り口のシャッターを叩き続ける。
その恐慌は、ついには避難者同士を争わせ、醜悪な生存競争を焚き付けるまでになっていた。
“恐怖心”という火種は、一度燃え広がると、多量の冷や水を用意しなければ消えはしない。
ましてや、アリーナ中に燃え広がった“恐怖の火”を鎮火させるには、この絶望的な状況を覆し、救い出す以外に方法などない。
そのために、フィールド上では1組代表の織斑一夏と2組代表の凰鈴音が、侵入者を相手に必死に抵抗し、状況の打開を図ろうとしている。
しかし哀しいかな、彼らは侵入者の侵攻の直前まで、クラス対抗戦でしのぎを削り合い、お互いにシール
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