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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十三話『救出への灯(ともしび)、その光と影』
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表札と大きな両開きのドアに、思わず目を留めた。
(B……ピット……)
そう、気がつけば私は、本来辿り着く予定のBピットルームの前にいたのだ。
ここに来て、私は我に返って本来の目的を思い出す。
(そうだ、今は髪留めよりも一夏を助けないと……)
でも大事な髪留めを奪われて、心の方は穏やかではいられなかった。
大切な思い出のリボン。私と一夏と修夜の、絆の証……。
思わず、ウサギスライムを捜すか、諦めて目的を優先するか、私の中で迷いが生じた。迷うはずもないことなのに……。
「……っ、えぇいっ!!」
――べしんっ
私は自分で自分の頬を両手で叩き、気合いを入れ直した。
(私の馬鹿っ、髪留めぐらいで動揺するな……!
失くしたことなら、あとで一夏と修夜に謝ればいい。
今、最優先なのは、その一夏の身の安全なんだっ……!!)
私の身勝手で、これ以上一夏や修夜に、迷惑だけはかけられない。
必死で謎の敵と戦う一夏と凰を助けられるかは、私のタイミング次第でもある。
たとえ量産型の訓練機で、力不足であったとしても、それ以上の負担をみんなにかけるなんて、その方がどうかしている……!
髪ぐらい、仮止め用の髪ゴムで止めておけばどうにかなる!!
気持ちを改め終え、私はピットルームのドアを開いた。
ピット内も、やはり非常灯の赤く薄暗い光に包まれていた。
機械部品と整備用具、作業用のウィンチやリフトなどが、不気味さをより醸し出していた。
いっそ肝試しでもできそうな雰囲気だ。
足元に注意しつつ、私は打鉄を倉庫から搬入するため、作業用のコンソールを探す。
(……あった、これだ)
部屋の入って右奥、ピット内のコンソールを見つけ、まずは電源が入るかどうかを確かめる。
タッチパネルに触れると電源が入り、画面が青い光を放って起動する。
残り六分、ウサギスライムに時間を取られた分、一刻も早く準備をしなければ……!
(まずは……打鉄を一機、このピットに搬入……と……)
いつもの手順通り、打鉄をピット内に入れるよう、指示を出す。
ところが――
≪【ERROR!!】搬入リフトに異常があります!≫
≪リフトを整備してから、操作を再実行してください。≫
画面が赤く点滅し、警告音とともにメッセージが表示された。
「そんな馬鹿な……!?」
どこかで間違えたのだと考え、もう一度ゆっくりと手順通りに操作する。
≪【ERROR!!】搬入リフトに異常があります!≫
≪リフトを整備してから、操作を再実行してください。≫
だが結果は同じ。
諦めきれずに何度も試すも、警告音とメッセージは変わらなかった。
ただ虚しく、画面が赤く染まるばかり。
「うそでしょ……、これじゃあ……」
ただ拳を握りしめ、私はコンソールの前でひざまずき、そのままへた
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