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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十三話『救出への灯(ともしび)、その光と影』
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だろう、まずは調子を伺ってみるとしよう。
「あっ…、はい、大丈夫…ですわ」
少し考え事をしていたのか、セシリアの反応は半歩遅れた。
《セシリア、調子が悪いなら無理はしないでね……?》
「あら、シルフィーさん、いつの間に……!」
シルフィーの存在に少し驚くセシリア。
「お久しぶりです、ご機嫌の方はいかがです?」
《うん、絶好調。まぁ、みんなとは、ISコアを通じて毎日会っているんだけどね》
「あ…、そういえば、そうでしたね。ふふっ……」
近頃のシルフィーは、普段の学園生活で余計な混乱を招かないように、普段はコアに引っ込んでいる。そのため、最近は寮の自室にいるときぐらいしか、目立ったコミュニケーションはとっていなかった。
もう少し自由にさせてやれたらいいのだが、いかんせん、どこぞで変な目が光っているとも限らない。万が一にもシルフィーの存在がバレれば、学園どころか、世界中から調査の手が押し寄せてくる。それだけは、是が非でも避けたい。
「その様子なら、なんとか大丈夫そうだな」
「はい、いつでもいけますわ」
俺の声に対して、強気な笑みを返すセシリア。
セシリアもまた、一夏に負けずこの一週間で一段と成長した。
今回は特に、箒に剣術や接近戦の稽古を付けてもらっていたらしく、以前にも増して剣の冴えが鋭くなっていた。
あの正確で五月雨のような高速突きに、篠ノ之流の“流れの太刀筋”が加わったのだと思うと、正直ぞっとしない感じだ。
コイツの成長の底無しさには恐れ入る。
《そうだ、マスター。拓海の方からプレゼントがあるよ!》
「プレゼント?」
シルフィーが嬉しそうに、俺に声をかける。
《まずは、「ソニック」の全部の兵装が使用できるようになったよ!》
「おぉ、マジか……!」
エアリオル=ソニックにはリニアレールガンの『イーグルハンター』、格闘戦用のビームブレード『スラッシュネイル』、肩のミサイルランチャー以外に、近距離でのメイン武装であるアサルトライフル【ハウリング=ラプター】、至近距離で相手を釘づけにする短銃身マシンガン【ピアスクロー】、そして相手を撹乱するための「戦略用スモークランチャー」が存在する。
自律型補助ユニットも、防御用の『メインシェル』から、援護射撃で補佐する『メインシューター』へと変更される。
これでようやく、【音速飛翔の“疾風”】が完全な姿を手に入れたことになった。
《本当は、マスターがパーティーの準備でてんてこ舞いだったの時期には、とっくに間に合ってたんだけどね》
「あの頃か……」
聞いて少しげんなりしてしまった。
あの地獄の忙しさだけは、二度と御免被りたい……。
《そしてもう一つ……。なな、なんとっ、【烈風】が解禁ですよ、マスター!!》
シルフィーが興奮気味に声を張り上げた。
「烈風……って、まさか
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