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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十二話『震撼、第二アリーナ』
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ろか、外部への通信手段すら、先ほどの一夏たちとの交信を最後に途絶えてしまっている。
「……こいつはやっぱり…」
通信妨害(ジャミング)されていると見て間違いないね。しかも、高度なハッキングと併用しつつ……かな?」
拓海が開いている機器を操作しつつ、俺の声に応える。
「さっきから学園の内外に向けて通信を試みてるけど反応は無いし、アリーナの遮断シールドがレベル4に設定されていて、扉の全てがロック済み……。
 今のアリーナは、陸の孤島そのものってところだね」
「んで、このままじゃ生徒たちの避難も外部からの救援も出来ないって所か……」
俺の言葉に、拓海は無言で頷く。
「それ以上に、このままだと一夏たちがもたないね。
 ただでさえ試合の最中に乱入されてるから、シールドエネルギーの残量も心許ない筈だし……」
そう言って、拓海はモニターを見る。通信が遮断されているにも関わらず、アリーナのモニターだけは何故か生きているみたいだ。
そこから、必死になって囮になっている一夏と、それに合わせて乱入者に攻撃を加えている鈴の姿が見えていた。
恐らく、これ以上の被害を出さないために時間を稼いでいるのだろう。救援部隊が来る事を信じて。
「どうにかならないのか、拓海!?」
箒が苛立った声で拓海に呼びかける。
ただでさえ状況が切迫している上に、一夏たちが無理をして時間を稼いでいるのだ。焦る気持ちは分からなくもない。
「落ち着いてください、箒さん。今ここで焦っていたところで、事態は好転しませんわよ」
それを必死に宥めるセシリア。だが、その声に余裕はなく、彼女もまた内心では二人の安否を気に掛けているのが分かる。
山田先生は先ほどと同じように必死になって通信を試みているし、千冬さんに至っては黙ってモニターを見つめているが、その表情に余裕が無い。
モニターから見える客席同様、この場もまた、混乱の渦中にあるのだ。
だが、俺と拓海はこの場において尚、冷静でいられるように勤めている。
『何時如何なる状況でも、冷静さだけは失うな』……それは、師である白夜師匠の教えの一つ。
事実、今のような状況の場合、焦りや混乱は事態を悪化させる恐れがある。
それを防ぐために、まずは冷静に事態を見つめ、自分に出来る事を探し当てる事……箒たちのように取り乱していては、出来る事も出来なくなってしまうのだから。
「拓海、現状で出来る手段はあるか?」
「一つだけね」
コンソロールを叩きながら、そう応える拓海。
「とりあえず、速攻で出来るのはドアロック全ての解除くらいで、遮断シールドの解除や通信の復帰に対応するには時間が掛かるって所かな。
 正直な所、今ある機器で全てをすぐに復旧する事は僕でも無理だし、一夏たちの現状を考えると必要なのは、今の状況を覆せる応援……」
「俺たち
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