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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十二話『震撼、第二アリーナ』
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ださい!!』
『繰り返します、緊急警報発令!! ……』
けたたましくアリーナに鳴り響く、サイレンと警報。
観客席のみんなが、悲鳴を上げながらパニックを起こし、スタンドの出入口に殺到していく。
真っ黒いそれは、アリーナのスタンド席のてっぺんぐらいの高さで止まり、動かなくなった。
すると真っ黒な何かは、その大きな腕を前に突き出した。
そして次の瞬間、腕の甲にある出っ張った場所から、赤色の光線を発射した。
赤い光線はスタンド席手前のフェンスに直撃し、またアリーナを爆音とともに震わせる。
その衝撃に、何人もの女の子たちが倒れたり、悲鳴を上げたり、うずくまったりした。
なんなんだよ、この状況……!?
〔織斑、凰、聞こえているか!?〕
「千冬姉!?」
〔織斑先生だ、馬鹿が!〕
突然、千冬姉からISのコア・ネットワークへと通信が入った。
「ちふ……織斑先生、どうしたっていうんだ!?」
〔判らん、だがあの所属不明機が、このアリーナに向かって攻撃したのは間違いなさそうだ〕
千冬姉の声に、どこかせっぱ詰まった感じがした。
「所属不明機って、あれもISなんですかっ!?」
鈴が、俺と千冬姉の通信に割って入ってきた。
〔ヤツの胸の辺りから、ISコアの反応を確認した。あの馬鹿でかい装備はISのものだろう〕
俺も千冬姉の言葉を信じて、真っ黒野郎にハイパーセンサーを向けるよう、意識してみる。
≪ISコア反応を検知、所属不明、コア番号不明、コア・ネット通信不可≫
中空電子画面
(
マルチモニター
)
にそんなメッセージが載せられた。
マジかよ、ホントにISだ……。
よく見れば胴体の真ん中に、スウェットスーツみたいに全身を包むタイプのISスーツを着た、操縦者らしい人影があった。ただ、顔はヘルメットとアーマーに覆われているせいで、全然確認できない。
〔ともかく試合は中止だ、お前たちも早く避難しろ。
ヤツの目的は不…明だが、教…員のホ…ウデ……〕
「お、おい……、織斑先生……。先生、千冬姉ぇっ!!」
突然、無線が途絶えるような音ともに、千冬姉との通信ができなくなった。
「一夏、どうなってるのよ、コレっ!?」
「俺に言われても……?!」
次々に起こる事態に苛立っているのか、鈴が俺に怒鳴ってきた
どうなっているのかは、俺だって知りたい。
目の前の真っ黒野郎は、こうしているあいだにもアリーナのフィールドやフェンスに向かって、無作為にビームを撃ったりしている。
観客席に被害がないのが、不思議なぐらいだ。
(……あれ?)
そこで気が付いた。
観客席から、ほとんど人が減っていない。
スタンド席の出入口に人が群がったままで、一向に出ていく様子がない……!
あれだけうるさく鳴っていたはずのサイレンも、いつの間にか止んでいた。
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