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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十二話『震撼、第二アリーナ』
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視線の先に、山田先生の真剣な表情が飛び込んでくる。目に涙を溜め、それでも毅然とした態度で、俺達を送り出そうとしている。
「ああ、一夏達と一緒に、必ず帰ってきます!」
そんな山田先生に、俺は強気の笑みを浮かべてそう言い放ち、セシリアたちも頷く。
そのまま、俺達はそれぞれの向かう場所へと走り出す。
――待ってろ、鈴、一夏……! 今、助けに行くからな!
――――
修夜たちが去ったモニタールーム内で、拓海は更にドアロック解除とシールド解除の準備作業を、並行して進めて行く。
「拓海、一つ聞きたい」
そんな拓海に、千冬は声をかける。『相沢主任』としてではなく、『相沢拓海』としての彼に。
「何でしょう、千冬さん?」
その事に気付いた拓海もまた、彼女を名前で呼ぶ。
「私は間違っているのか……?」
普段とは変わらず、だがどこか弱々しく小さな千冬の声が、拓海の耳に届く。
「何もしてやれないからと、
一夏
(
あのこ
)
を信じることだけを考えた私は、やはりおかしいのか……?」
「……それは、僕には分かりませんよ」
拓海はそれを自然に返し、言葉を続けた。
「先程の僕はただ、あなたの一夏に対する接し方に問題があると言っただけです。
あなたの“考えや想い”なんて、あなた以外の誰にも分かりませんよ。ですけど……」
拓海は作業の手を止めないまま答える。そして……。
「今のあなたがそう思っている感情が本当ならば、それがあなたにとっての『正解』だと思いますよ。
……『ふゆ姉さん』」
かつて、修夜と共に親しみを込めて呼んでいた彼女の呼び名を、紡ぐのだった。
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