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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十一話『クラス対抗戦、開始!』
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殺させていたんです。
 そしてそのまま、さっきの跳び蹴りに繋げた。上手いやり方だと思いますよ」
六花には“散発”という、短い射程で広範囲に衝撃波を発射する撃ち方がある。
おそらく一夏は、鈴の衝撃砲が放った強烈な一撃を、散発の“衝撃の盾”で防いだんだろう。そして地面近くにいたことが幸いし、土煙という目暗ましを利用して、あのヒーローキックという奇襲を鈴に成功させたのだ。
俺があの馬鹿鈴の立場でも、さすがにアレは俺でも避けきれる自信はあまりない。
「……よくわからないが、私の知らないところで、ずいぶんと織斑に“要らぬちょっかい”を出しているようだな……?」
ちょっと待て、もしかして千冬さん、キレてません……!?
いや、それもだが、さすがの千冬さんでも、さっきの言い方はひどくないか。
「ちょっと織斑先生、その言い方はあまりに――」
「黙っていろ、オルコット」
セシリアも、千冬さんのものの言い方に引っ掛かったようだが、ドスの利いた千冬さんの音声(おんじょう)にたじろいでしまった。
間違いなく、カンカンに怒っていらっしゃる……。
「あの……織斑先――」
「お前も黙っていろ、真耶。これは私と相沢主任の問題だ」
山田先生の制止を振り切り、依然として拓海に睨みを利かせる千冬さん。
「相変わらず、一夏への考え方が凝り固まってますね……」
「なんだと……?」
おいおい、こんな狭い場所で火花を飛ばすのはやめてくれ。
拓海もどうしたんだ、いつものお前らしくないぞ……。
画面の向こうでは一夏と鈴が、アリーナの地上フィールドで熱戦を繰り広げている。鈴が再び衝撃砲を連射状態にして牽制し、それを一夏が掻い潜りながら近付き、的確に六花を当てにいっている。当たったら透かさず雪片で切り込み、鈴もそれを必死で双天月牙で捌いている。息もつかせぬ攻防の押収だ。
まるで、この場の拓海と千冬さんの睨み合いのような……。
「前々から思っていたんです。織斑先生……いや千冬さん、あなたの一夏への“スパルタ思考”は少し度が過ぎている。もっと素直に一夏に接してあげたらどうです?」
ド直球を投げにいきやがった……!?
「公私混同とは、ずいぶんとお優しいようだな、相沢主任」
そして千冬さんも、全然怯まない……。
「なら千冬さんだったら、この戦いのために、一夏に何を教えますか?」
今度は様子見の牽制球。
「そうだな……。
 瞬時加速と、それを利用した『零落白夜』での“一撃離脱”、これだけあれば充分だろう」
千冬さんの返した返答は、なんとも千冬さんらしいものだった。
全盛期、専用機「暮桜」を駆る彼女の戦い方は、まさに今、当人が口にしたものそのものだ。
白式と同等・同質の性能を持つ暮桜も、零落白夜による一撃必殺を主軸にしたISだった。
携えるのは白式の|基本武装
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