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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十一話『クラス対抗戦、開始!』
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アリーナ全体が埋め尽くされていた。
因みに、会場入り出来なかった生徒や関係者は、リアルタイムモニターで干渉するしかない。だが、この状況を見る限り、全校の人間が見ているのは間違いないだろうな。
俺とセシリアの時はクラスメイトだけだったが、もし制限が無かったら今と同じ状況になっているのが容易に想像はつく。
案外暇なのか、この学園の生徒たちは。ってか、特に上級生とか授業はどうしたんだよ、マジで……?
ま、余計なちょっかいさえなければ、どうでも良いけどな……。
「はてさて……とりあえず、千冬さん達のいるモニタールームにでも向かいますか」
この特等席で試合を見るのも一興ではあるが、後で千冬さんに説教を食らうのは勘弁願いたいしな。
そんな事を思いつつ、俺はピットから見える風景に向かって、ポツリと呟く。
「気ぃ付けとけよ、馬鹿鈴。お前が思っているほど、今の一夏は弱くねぇんだからな」
外で一夏と対面しているであろう鈴に向かって、俺はニヤリと笑いながら呟くのだった。

――――

アリーナの低空、フィールドど真ん中の位置。
俺・織斑一夏の視線の先には、鈴とそのIS『甲龍(シェンロン)』が試合開始の時を静かに待っている。
セシリアのブルー・ティアーズ同様、非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)が特徴的だ。
肩の横に浮いた棘付き添う甲(スパイク・アーマー)が、やたら攻撃的な主張をしている。……あれで殴られたら、すげえ痛そうだな…。
(しっかし、名前の読みがどうもしっくり来ないよなぁ……。どうせだったら、もっとそれっぽい感じを使えば良いのにさ。……よし、俺の中ではあの機体は『こうりゅう』って呼ぶ事にするか)
漢字での読み方には問題も無いし、それで良いだろ。
『それでは両者、規定の位置まで移動してください』
そんな事を考えている俺の耳に届いたアナウンスに促され、俺と鈴は空中で向かい合う。
その距離は、五メートル。俺と鈴は開放回線(オープン・チャンネル)で言葉を交わす。
「始める前に、一夏。一つ聞いておくわ」
「なんだよ?」
鈴の言葉に、俺は聞き返す。
「先週の一件だけど、アンタ……反省した?」
「……へ?」
睨みながら、突然の質問をぶつけてくる鈴に、俺は思わず面食らった。
「だ、か、らっ! あたしを怒らせて申し訳なかったなーとか、仲直りしたいなーとか、あるでしょうが!」
……鈴、それを今ここで言うか、普通?
それ以上に、何でそんな上から目線なんだよ……。
「いや、そう言われても……鈴のほうが避けてたんじゃないか」
実際、俺は何度も2組に足を運んだし、食堂でもよく見かけたから、怖々(こわごわ)だけど声はかけてみた。でもそのたびに、鈴は俺を避けていった。
最初は見かけた途端にダッシュで逃げ出し、試合が差し迫ってき
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