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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十一話『クラス対抗戦、開始!』
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そして、鈴の部屋替え説得(と言う名の襲撃事件)から一週間経ち、クラス対抗戦当日。
場所は第二アリーナAピット。俺は、出撃前の一夏と話をしていた。
「……で、未だに謝れてないと…」
「ああ、まぁ……。廊下や学食で会って話し掛けて謝ろうにも、露骨に顔を背けられるし。
 いかにも『怒ってます』って言うオーラ全開で……」
「……あんの、馬鹿…」
頭を抑えながら、溜息を吐きつつ呟く俺。曲がりなりにも謝ろうとして歩み寄るヤツに対して、そう言う態度とるか、普通……。
本気で一夏の事を好いているのか疑問に感じてきたぞ、俺は……。つか、箒の方がまだ素直なくらいだ……。
……コイツもコイツで、おっかなびっくりで近づいていそうだから、余計に鈴の気に障るんだろうが。
「あいつの事だから、どうせ謝ってこないことに憤慨してるんだろうな……。自分の行動を鑑みないで…」
「ありえるな……」
俺の言葉に、一夏は溜息をつきつつ同意する。互いに鈴を古くから知っている手前、彼女の思考が手に取るように分かるのだ。
「まぁ、今日の試合が終われば否が応にも収まりはつくだろ……」
「だと良いけどなぁ……」
俺の言葉に、微妙な反応を返す一夏。気持ちは分かる……。
実際問題、鈴のヤツは自分が勝つ事しか考えていない。一夏の実力を考慮には入れているだろうが、代表候補生の自分に敵う筈がないと高を括っているのだ。
まぁ、確かに実力で言えば鈴の方が上っちゃ上だ。だが、一夏もこの一週間で、かなり実力が向上した。
俺との修練で、六花の使い方もそつなくこなせるし、訓練の時にこいつが呟いた『ある台詞』のおかげで、既存のISでは想定していない『戦い方』も出来るようになっている。
技術面ではまだ不利だが、戦術面では一夏のほうが上だ。試合になれば、五分にまで持っていけるだろう。
「取り合えずだ、一夏。白式の状態はどうだ?」
「ああ、かなり調子が良いよ。これなら多分、いける」
展開した白式を軽く動かしながら、一夏は強気な笑みを浮かべる。
「そうか……なら、絶対に勝って来い。無様に負けたら、承知しねぇぞ?」
「ああ、分かってる。せっかくみんなが協力してくれたんだ、無碍には出来ねぇよ」
拳を突き出す俺に、一夏も拳を合わせてくる。
そして、試合開始前のアナウンスが流れて、一夏はアリーナのフィールドへと出撃して行った。

「しっかし、これまた随分な人数だよなぁ……」
出撃した一夏を見送った俺は、モニターから見えるアリーナの様子を見て呆れる。
一夏と鈴、どちらも色々な意味で噂のある新入生だ。片や世界でただ二人の男性操縦者の片割れ、もう片方は転入早々にクラス代表となった代表候補生。
そんな噂の新入生同士の戦いと言う事があって、アリーナは全席満員。席以外にも通路で立って見ている生徒もいて、
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