暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十話『夜風の非常階段にて』
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われれば、わたくしと修夜さんが試合をした数日後には締切りだという、事務局からの勧告が……」
そう、セシリアと俺とがぶつかったあの日、実は事務局からは割とキツめにクラス代表者の決定を催促いたことを、山田先生に聞くことができた。その辺りは試合前に千冬さんが愚痴っていたから、正確な期限まで分かればこっちのものだ。
「アンタ、それどこから……!?」
「山田先生に、“俺の手作りプリン三つ”で手を打ってもらって、色々と……な」
まさかそれで張りきってもらえるとも、思ってみなかったが……。
「どうもおしゃべりな事務員がお前のことをしゃべったらしくてな、それを聞いた鈴が、お前とできるだけ接点を――」
「黙れ、飛行バカ!!」
俺の言葉をさえぎろうと、鈴が横から口をはさんでくる。さっきとは違う、焦りの声だ。
どうやら自分のやったことのヤバさと、それをここでばらされる不味さは承知しているらしい。
だが俺は、それを無視して話を続けていく。
「とにかく、鈴は2組の代表になればお前ともっといられると考えたみたいで――」
「黙れって言ってるでしょ、馬鹿修夜!!」
怒鳴る鈴、でも無視だ。
人を糾弾できる立場じゃないが、明かすのは一夏のいる“今ここ”だ。
そうじゃなけりゃ、“鈴にも一夏にも”意味がない。
「そのために、コイツは――」
「黙れ、黙れだまれ、だまれぇ!!」
とうとう懇願にも似た鈴の叫びが、部屋にこだまする。
でもコイツのやったことを、決して俺には無視できない。
憎まれようが軽蔑されようが、これだけははっきりとさせておかなきゃならない。
「国に一報を入れて掛け合って、2組の代表と臨時の決定戦を仕掛けて、その子を代表から【引きずりおろした】んだよ!!」
もう最後は俺も、鈴の妨害に負けないように大声になっていた。
俺の発言が終わった瞬間、部屋の中は再び静寂に包まれた。
鈴の顔は、さっきと打って変わって泣きそうなほどの悲壮なものになっていた。
一夏も箒もセシリアも、ただただ驚いてばかりだった。
「鈴……」
一夏の呼び掛けに、鈴は怯えたように体をはねさせた。
「お前、なんで……」
一夏がそう発した瞬間だった。
鈴は顔を俯かせたまま、何も言わずに部屋を駆けだして行ってしまった。
「おい待て、鈴!!」
呼び止めようと前に出たが、鈴は俺と肩がぶつかったのも気にせず、そのまま廊下を疾走して消えてしまった。
残ったのは、濡れた床とボストンバッグ、そして俺の手の甲にかかったアイツからの水滴だけだった。

――――

……んで、こっちはこっちで状況を聞いたわけですが…。
「……阿呆か、お前は…」
あまりの内容に、俺は思わず頭を抱えてしまう。
因みに箒はといえば、先ほどの一件のせいか、釈然としない表情で一夏を見ている。まぁ、気持
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