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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十九話『遠い日の約束』
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を決めるためなんだからぁっ!!」
顔を少し赤くしながら、やっぱり怒鳴るように反論する凰。
こんなにがなり立てて、よく疲れないものだな……。その体格のどこに、そんなエネルギーを溜めているんだ……?

それにしても――
さっきから一夏、一夏、一夏、一夏、一夏…………。
彼女の考え方は、自己中心的でありながら、必ずそのそばに“一夏”が付いてくる。
最初に食堂であいさつしたときも、私が“一夏の幼馴染”だと聞いて、不機嫌そうにじろじろと私を見ていた。
一夏を責めているときも、入学してしばらくの頃の私に似て、ひたすら“一夏の不甲斐なさ”をなじっている。
そういえば、今は床に浮かれた凰のボストンバッグ。
もしやアレは、彼女がこの部屋に居座るために用意した荷物なのか……?
それにしては、荷物が少な過ぎるのではないだろうか……。
それとも、この部屋で“ずっと”一夏と過ごすことを前提に、最低限の荷物だけで移動してきたのか……。

……やっぱり、彼女は“そう”なのだろうか。
性格とかそういうもの以前に、一夏に対して何か“強いもの”を期待しているのだろうか……。
……いやいや、だから私は……別に一夏のことが……|《す……》とか、そういうのでは……。

「と、に、か、くっ!!
 いいわよね、『負けた方は勝った方の言うことを何でも聞く』っていうの、条件に追加してもっ!?」
強引に状況を進展させようと、凰は私たちに条件の合意させようとする。
「……わかりました、その条件もお付けいたしますわ」
少し考えるようなそぶりの後、セシリアは静かにだが力強く、彼女に承諾の返事をした。
「あとで“無しにして”なんて泣きついても、聞いてやんないからね?」
再び凰は強気な笑みを見せる。今回は腕を組んで、仁王立ちまでしている。
どれほどかは分からないが、よほど腕に自信があるに違いない。
「あらあら、最初から油断なさっていると、あとで痛い目を見ることになりますわよ?」
セシリアも負けじと、気の強そうな笑みを浮かべながら、挑発を挑発で返す。
普通なら単なる嫌味だが、彼女の場合は“自分の経験”が上乗せされている分、知っているこっちは重たく感じてしまう。
このしたたかさは、なんというか最初に出会ったころの彼女より、少しばかり上がっている気もする……。
「ナニよ、私が負けるとか言いたいの?」
「まぁ、もう負けたときのことをお考えで。殊勝なことですわ〜」
「なん……ですってっ!?」
……セシリアに口ゲンカを売るのだけは、うかつにであっても絶対に避けたくなってきた。
少しどころか、数段レベルが上がっている……。
もしかして、“デキソコナイ”呼ばわりされたのを、相当根に持っているんじゃ……?
「あの…さ……、ホントに…やる気なのか……?」
一夏が、今
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