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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十九話『遠い日の約束』
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”があるように感じられた。
この感じ……“修夜に似ている”気がする。
「どきなさいよ、金髪っ!!」
「わたくしの名前は“金髪”ではありません、『セシリア・オルコット』ですわ……!」
どっちも互角……いや、僅かにだかセシリアが気押しているように見える。
最近は布仏ぐらい穏やかだったせいか、セシリアにこんな一面かあったのかと思わず唖然としてしまった。
これが、“代表候補生”というものなのだろうか。
国を背負い、誇りを背負い、自分の覚悟を背負う、私と同じ歳の女の子。
同じ歳なのに、こんなにもしっかりと地に足を付けて、揺るぎなく構えていられるものなのか。
華奢で華やかなこんな女の子が、ここまで【力強い】後ろ姿を見せられるものなのか。
その力強さが、まるで輝きにすら見えてくる。
なんて……眩しい姿なんだろう……
どうしたら、そんな風になれるのだろう
そんな風になれれば、“姉さん”のことも気にせずに生きていけるのだろうか
そうすれば 一夏にだって きっと ……
「お…おい、二人ともやめろよ……!」
……いけない、変な考えに捉われていた気がする。
一夏の声で現実に戻った私は、とりあえず声を発した一夏に顔を向ける。
「なによ、一夏は引っ込んでいてっ!!!」
依然として凰はやる気満々だ。
「なんでこんなことをなさるんですか……。わたくしと同じ代表候補生でしたら、ご自分の置かれている立場を――」
「知らないわよ、そんなのっ?! 良い子ぶってんじゃないわよ、金髪!!」
説得しにかかったセシリアの一言を、下らないとばかりに苛立ちながら一蹴する凰。
「ですから、わたくしは――」
「アンタの名前なんて興味ないのよっ!
聞いた話じゃ主席入学らしいけど、一夏どころか馬鹿修夜にさえロクに勝てなかったみたいじゃない?
とんだ“デキソコナイ”よねっ?!」
セシリアの顔が、微かに歪んだ。
「ま……待てよ、鈴。いくらなんでも、言っていいことと――」
「黙ってなさいよっ、馬鹿一夏ぁ!!」
怒鳴り声とともに、ものすごい形相で一夏を睨む凰。一夏も思わず「ひっ」と言って青くなり、これにたじろいでしまった。
凰の剣幕も凄まじいが、なんというか、それに尻込みする一夏が情けなく見えてしまう。
「一夏さんと一緒いたいとおっしゃっているにしては、ずいぶんぞんざいに一夏さんを扱われるのですね……!?」
眉を寄せながら、明らかな苦言を凰に呈するセシリア。
すると――
「い……、いっし……だだ…れがこんなっ、グズグズの馬鹿といっ……一緒になんてっ……?!」
返ってきた返答は、ずいぶんと声色の変わったものだった。
あれほどの剣呑な雰囲気で罵詈雑言を並べていた凰が、一転してしおらしくなってしまった。
顔はリンゴのように真っ赤で、
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