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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十九話『遠い日の約束』
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通り、本来なら一夏と修夜は自宅が学園からさほど離れていないため、学園側は二人の受け入れ態勢を整える意味で、最初の一週間ほどは電車での自宅通学にすることを提案していた。しかし一夏も修夜も、世界でも例を見ない【男性IS適合者】だったため、その保護と監視を強める意味で、政治家たちは学園の都合など知らないとばかりに、二人を何の準備もできていないこの寮に突っ込んだらしい。
私も一夏と同室になったときは、状況が状況だったけに酷く気を動転させたものだ。
……そのせいで、修夜にはこっぴどく叱られてしまったのだが……。今思い出しても、二重、三重の意味で恥ずかしい……。
「じゃあ何、ずっとこの女と一緒にいたワケっ!?」
「そりゃ、そうだろ……」
「食事もシャワーも寝る場所も、全部共有してたっていうの?!
不潔っ、最低っ、信じられないっ!!」
まるで昼ドラのワンシーンのように、凰は凄まじい剣幕で一夏を追求し続ける。
あまりの勢いに、一夏は完全に小動物のように縮こまってしまった。
「ま…待て、凰。これは学園の方でも想定外での対処だったはずだ……。事実、私も一夏が部屋に来るまで、一夏が同居人になるなど、知らされていなかったんだ……!!」
何とか一夏をフォローしようと弁明するも、凰は私に向かってますます険しい顔で睨んできた。
澄ましていれば凛々しく可愛らしいだろうその顔も、今は般若の面さながらの形相だ。
「……そう、アンタが……」
ぽつりと凰が呟いた。
「分かったわ、アンタ、この部屋出ていきなさいよ」
凰が、いきなり私を指さし、とんでもないことを言いだした。
「な……、何をいきなり……!?」
「自分の方が幼馴染歴が長いからって、浮かれてんじゃないわよ、このスイカ女!!」
す……スイカ…って。
もしかして……、私の……胸……のこと……か?
いやちょっと待て、私だって……、好きでこんなに大きくなったわけじゃ……。
「一夏も一夏よっ、こんなスイカに鼻の下伸ばして、だらしないったらないわよっ!!!」
「え……、えぇぇぇぇぇぇ…………?!」
また一夏に向き直って、一夏を糾弾しはじめる凰。
もう一夏は、訳が分からない様子で、凰のからの“
口撃
(
こうげき
)
”に抵抗する余力さえなくしていた。
「とにかく、アンタみたいのがいるから、一夏がドンドンだらしなくなるのよっ!!
これからは、私がだらしなくなった一夏を鍛え直すから、アンタはさっさと出ていきなさいよっ!!!」
…………。
……すまない修夜、さすがこれは、黙ってはいられない。
「言わせておけば、さっきから何なんだ、その態度は……!
挨拶もろくにしないで人の部屋に勝手に上がり込んで、一夏が困っているのお構いなしに怒鳴り散らして……。
挙げ句の果てが、人をスイカ呼ばわりして“出ていけ”
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