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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十九話『遠い日の約束』
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顔を赤くしていく凰。
“そのために”……。
まさか、いや……、この、この彼女の反応は……もしかして……?!
そんな、まさか二人はもう……、私では手の届かないところまで……。
言いようのない、心を締め上げるぐらいの不安が、私を支配していくのが分かった。
もう、祈るしかない。
私の不安が、万に一つでも杞憂で終わってくれることを。
どうか、神様……!!
「いや〜、でも今は学食で間に合ってるし、それにどうしても食いたいときには修夜もいるしなぁ〜」
「…………ぇ?」
凰の顔から、喜色が一気に失せていくのが分かった。
一夏も一夏で、彼女がそんな顔をしていることに、動揺しはじめる。
「ぇ、いや、『飯おごってくれる』んだろ、違った……?」
部屋に漂いはじめる、何とも言えない気まずい雰囲気に、一夏は一層焦りはじめる。
「いや、だから……、次に会えたときにお前の料理の腕前が上がっていたら、それを『みんなの前で』振る舞って、俺と【みんな】に食わせてくれるんじゃ、なかったのか……?」
この場にいる全員が、唖然呆然としていた。
一人は、自分の約束を“まったく違う方向に解釈された”ことに対して。
一人は、その“約束の意味を間違えた”ことに気づけずに。
一人は、文化の違いからその意味を掴めずに。
私はというと、数秒前に祈った奇跡が起こったはいいが、その奇跡の“内容のひどさ”に……。
そうしているなか、俯いて拳を握りしめた凰が、ずいっと一夏の前へとにじり寄った。
――ぱぁん
次の瞬間、凰は一夏の頬を勢いよく平手で張った。
見れば凰は肩を振るわせ、口を強く結んで一夏を睨みつけていた。
彼女は怒っていた。それもさっきまでの激昂とは違う、何か“湿ったもの”を含んだ怒り方だった。
頬を張られた一夏はというと、その理由が分からず、また凰の表情にも戸惑い、呆然としていた。
「最っっっ低! 女の子との約束をちゃんと覚えてないなんて、男の風上にも置けないヤツ! 犬に噛まれて死ね!」
部屋中に、割れんばかりに凰の罵声が炸裂した。今日聞いた中でも、一等ひどい大きさだった。
彼女の眼の端には、涙が滲んでいた。
当たり前だ、なにせ一世一代の“逆プロポーズ”を、ここまで曲解されていたと聞かされれば、女なら怒って当然で、文句も張り手も出ておかしくない状況だ。たとえそれが、小学生の頃の他愛もないものでも……。
きっと凰は、ありったけの勇気を出して、一夏にその言葉を告げたに違いない。
そして一夏から返事をもらって、それを心の糧にしてきたに違いない。
でもその果てが、その終わりが、こんな“とんでもない勘違い”だったというのは、あまりにもひどすぎる。
当てが外れたと喜ぶべきはずの私も、こんな仕打ちは見ていていたたまれない……。
俯いたまま、凰
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