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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十八話『一夏の可能性』
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のひら》にエネルギーを圧縮して放射する機関【掌撃砲(パーム・シューター)】が内蔵されてて、最大10m先の相手に対してダメージを与えることが出来る用に設計されてる。
 それ以外にも幾つかのモードを搭載する予定だけど、性能は雪片弐型に劣らない武装だよ」
「また随分と趣味に奔った武装にしたな……」
若干呆れながらいう俺に対して、拓海は苦笑を浮かべる。
「雪片が主体の白式だと、下手な銃器より、こう言った武装の方が臨機応変に対応できるんだよ。
 それに、こう言っちゃあれだけど、白式は欠陥機に近いんだ」
「け、欠陥機!? 拓海、今欠陥機って言ったよな!?」
拓海の言葉に驚く一夏。箒やセシリアも、どう言う事かと顔を見合わせている。
「正確に言えば、IS自体がまだ完成している領域じゃないから、欠陥も何も無いんだけどね。
 ただ白式は、普通なら搭載されている幾つかのシステムが搭載されてないし、拡張領域も全て埋まっている状態だ。
 千冬さんは気にしないだろうけど、僕から言わせて貰えば、白式は【欠陥機中の欠陥機】だと思っている」
拓海が再び、白式のデータを表示しながら言葉を紡ぐ。
「どんな格闘戦特化の機体だって、射撃戦に対する対策は取られてるし、逆もまた然り。
 中距離射撃型のブルー・ティアーズにだって、インターセプターって言う近接装備が備えられているんだからね」
そう言いながら拓海は、ブルー・ティアーズや打鉄のデータも表示する。
「同様の意味で、打鉄にも拡張領域が備わっている。これは、近接主体の打鉄でも射撃が出来るように設計されてるためだね。
 けど、白式にはそう言った配慮が一切無い。だから、欠陥機だって言ったのさ」
言われてデータを見比べてみれば、確かに白式は他二機に比べて近接に特化している分、射撃に関する能力が0といって良いほどに何もなされていない。
これでは一夏に、全盛期の千冬さんの戦い方をしろと無理強いしている様なものだ。
「だけど、欠陥機だからこそ、マイナスだって事は無い」
「どう言う事ですの?」
「単純明快だよ。欠陥機だと言うのなら、【欠陥部分を埋めてしまえば良い】。
 僕が【六花】の開発に着手したのもそれが理由さ。欠陥機だからといって、そのままでいさせるほどの三流の技術屋になったつもりはないからね、僕は」
セシリアの疑問にそう答えて、軽く微笑む拓海。
「とりあえず、一夏。そんな訳だから、今日の訓練が終わったら、白式を僕に預からせて欲しい。
 少し時間は掛かるけど、白式の問題点を幾つか解消したいからさ」
「あ、ああ、それは構わないけど……間に合うのか?」
少し怪訝な顔で一夏は質問する。恐らく、クラス対抗戦に間に合うかが心配なのだろう。
「間に合わせるよ。蒼羽技研開発部主任、相沢拓海の名に賭けてね」
そう言っ
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