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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十七話『台風少女の襲来』
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う……なんだ」
その反応に呆れつつも理由を言うと、すぐに納得する鈴。つ〜か、話は最後まで聞けっての。
「じゃ、じゃあさ一夏、学食でもいいから。積もる話もあるでしょ?」
「あ、鈴。どの道今日の放課後は……」
「今度は何なのよ!?」
俺が言おうとすると鈴はまた怒鳴る。だから、人の話は最後まで聞けって。
「拓海の奴が用があるつって、俺たちを呼んでるんだよ。
場所はアリーナって言うのもあって、ついでに訓練もするし、すぐに時間は取れないぞ?」
昼前の実戦操縦の授業後に、拓海が携帯にそうメールを寄こしていた事を思い出して、そう伝える。
鈴も鈴で、拓海との付き合いは浅いわけじゃないから、それを無視するとどうなるか位想像できるはずだ。
「うっ、拓海が先約取ってるなんて……」
案の定、少しだけ顔を青くする鈴。こいつもこいつで、拓海の説教の怖さは知っているからな……。
「……って言うか、何で拓海までここにいるのよ!?」
「俺のISのデータを取るために、学園の外部協力員として整備士やってるんだよ。
多分、今日のうちに挨拶行くんじゃねぇか?」
簡単に説明した俺の回答に対し、鈴は納得したかしないか微妙な態度でしかめ面をした。
しかし次の瞬間には、“どうでもいいか”と疑念を水に流したらしく、すぐさま表情を元に戻した。
もっと一夏以外に興味持てよ、マジで。
「まぁ、そんなわけですぐにって訳には行かないから、時間を見て……」
「じゃあ、それが終わったら行くから。空けといてね。じゃあね、一夏!」
人の話を最後まで聞かずに、鈴は丼を持って片付けに向かう。……三度は言わんぞ。
つか、せめて一夏に確認を取ってから行けよ……。
「なんと言いますか……」
「嵐みたいな人だったね〜、りんりん」
その光景に、セシリアと本音はそれぞれの感想を呟き……。
「どうするつもりだ、一夏?」
「……待ってるしかないんだろうな、多分…」
箒の質問に、頭を抑えながら一夏は答える。そして俺は……。
「問題だけ残していきやがって、あの馬鹿は……」
――鈴の勝手な約束に対して、頭を抱えているのだった。
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