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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十七話『台風少女の襲来』
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片膝を立ててドアにもたれているあいつの姿があった。
「鈴……? お前、鈴か?」
「そうよ。中国代表候補生、凰鈴音。今日は宣戦布告に来たってわけ」
思わず一夏が相手の名前を呼ぶと、向こうは頷いて名を名乗り宣戦布告した。
その態度に格好付けているつもりなんだろうが、普段のあいつを知る俺と一夏から見れば……。
「何格好付けてるんだ? すげえ似合わないぞ」
「同感だな……。むしろ、気取った喋り方と姿にギャップがありすぎて哀れすぎるわ、馬鹿鈴」
「んなっ……!? なんてこと言うのよ、アンタたちは!
……っていうか、誰が馬鹿鈴よ!?」
野郎二人に呆れられ、思わず“いつもの”利かん坊に戻る鈴。
「お前だお前……転入早々、なに気取ってるんだか…」
鈴の反論に、俺は溜息をつきながらそう答える。
「とりあえず、そろそろSHRの時間だから、今は教室に戻れ。
いくらお前でも、転入初日から織斑先生に叩かれたくないだろ?」
「うっ……!?」
俺の言葉に、若干顔を引きつらせる鈴。
こいつ、過去に千冬さんに叱られてから苦手意識持ってるんだよな……。
たしか転校して日も立っていない頃に、鈴は顔見知りになった俺と一夏に町の案内をさせたことがあった。
最初は俺も一夏も気前よく案内していたのだが、いつの間にか鈴が主導権握り、日が暮れるまで俺たち引きずりまわした。結果、遅くまで出歩かれた上に腹をすかして機嫌が最悪な千冬さんに、三人揃って雷を落とされた。
……思えば鈴とは、この頃から既にケンカしていた気がする。
余計な回想はここまでにしておくとして、どっちにしても、SHRの時間も近い。今ここで問答をやってれば遅かれ早かれ、千冬さんの雷が待っているのは間違いない。
「ま、またあとで来るからね! 逃げないでよ、一夏!
それと修夜! アンタ後で覚えてなさいよ!」
鈴もそのことに気付いたのだろう、捨て台詞を吐いてそそくさと教室に戻っていった。やれやれだ……。
「全く、相変わらず嵐のような奴だな……」
人を巻き込んで騒動に発展させる才能でいえば、鈴は間違いなく台風クラスだろう。
「ところで修夜……鈴の転入について知ってたのか?」
「昨日のお前の忘れもんを取りに行った帰りに、偶然会ってな……。IS操縦者だったのを知ったのも、その時だ。
因みに、すぐに教えなかったのは、どうせここに来るだろうと思って、あえて言わなかっただけだ」
一夏の疑問に俺はそう答えた。
「一夏、修夜、今のは誰だ?」
「お二人の知り合いのようですけど、あの子とはどういう関係で――」
そんな俺たちに、箒やセシリア達が疑問を投げかけてくる。
「後で詳しく教えるから、とりあえず席に着いたほうがいいぞ。もうすぐ織斑先生が来るだろうしな」
俺は苦笑を浮かべながら言葉を紡ぎ、席に着く
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