暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十六話『クラス代表就任パーティー』
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、メモリーのデータは空っぽ。何一つ残っていなかった。
「何の……何が起きたっていうのよ……」
頭を抱えて必死に原因を考えるも、一向に思いつくことは無い。
そこに――
――ピピピ
パソコンに一通の電子メールが送信されてきた。
何事かと思い、そろそろとメールを確認して見ると、そこには次のようにあった。
前略、新聞部・副部長さま
中々に楽しい記事をお書きのようですが、当方も今回の記事につきましては、些か度が過ぎると感じ、このような強硬手段に出ることと相成りました。
今後はこのようなことが無きよう、そして私をこのような行為に走らせないよう、公平かつ謙虚な記事の執筆をおこなうことを、お願い申しあげます。
Leo-IZ
「れお……」
それは、間違いなく自分のデータを消し去った犯人からの連絡だった。
どこの誰かは分からない、ましてどうやって自分のパソコンとユーザーIDを確認し、学園の堅牢なセキュリティを掻い潜れたのかは、皆目見当もつかない。
「なにが『お願い申しあげます』よ……、ハッカー風情が良い気にならない……」
怒りに火がつく直前、黛は画面のスクロールバーにまだ下があることに気が付き、バーを下げてみる。
すると――
P.S.
こんなものが見つかったので、コレもお預かりします。
次に下手な真似をするとどうなるのか、よくご検討ください。
(^^)
よく見ると、メールに添付ファイルがあることに気がつく。
ウィルスの危険性を考えつつも、恐るおそるファイルを開くと……
「 ? ! 」
そこには、自分がかつて暇つぶしのお遊びで作ったコラージュ写真があった。
しかも、よりにもよって『織斑千冬と山田真耶が全裸で抱き合う百合写真』である。
無論、お遊びで作ったものだし、黛当人も腹いせと悪ノリでやったことなので、作ったこと自体をあまり憶えてはいなかった。
なにより、最近消したはずのデータだった。
ばれたら死ぬ。
学園有数の鬼教官として知られる織斑先生に、こんな蛮行が知れれば……。
いやいや、当人からばかりでなく、学園中の織斑先生ファンを敵に回してしまう。
黛にもはや、選択肢など無かったのだった。
こうして黛が発行した記事は、それまでのゴシップ記事ではなく、民間の新聞社の紙面もかくやという、公平で謙虚な文面となった。
のちにこれは『黛の撹乱』と呼ばれ、しばらくの間、学校の話題の種となったのだった。
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