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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十五話『クラス代表の決定と懐かしき転校生・後編』
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・し・か・し・て、思い切って“ニューハーフ”にでもなっちゃったワケ〜〜?」
どこかで、手榴弾の安全ピンが抜ける音がした。
「…… ぁ ん …… だ と お お ぉ ぉ っ ? !」
そして、それは一秒を待たずに、この場で大爆発を起こした。
「きゃ〜〜っ、それじゃあ今は“シュウヤくん”じゃなくって〜、“シュウヨちゃん”なんだ〜〜。かっわいい〜〜!」
「テッメェっ、鈴んんっ、マジでこの場で三枚に下ろしてやんぞっ、ぁあっ?!」
「いや〜ん、シュウヨちゃん、こっわ〜い!」
修夜にとってISで蒼穹(そら)を舞うことは、長年の夢だった。
だが同時に、これを衆目で発した日にはそこで大爆笑が巻き起こる。
【ISは女性のもの】というのは、世間の常識。
だがその世間の常識に屈せず、多くの男性科学者がISの“性の壁”を超えんと今も奮闘しているものの、その成果が虚しい状態なのは、女尊男卑という社会形態を見ればよく分かる話である。
そんな中で、いわゆる“ニューハーフ”と呼ばれる人々、とりわけ男性から女性へと目覚めた人の多くが、万一にでもISを起動できるのではと挑戦したのだが、現状の戦績は全戦全敗である。
中には、IS起動の夢を実現するためだけに、その道に飛び込んだ科学者が実在したとかしなかったとか。
修夜にとって、自分の夢は生涯をかけて貫く“目標”である。
ゆえに、昔から声高く目標を口にしてきたが、そのたびに笑い物にされ、最悪の場合には今の鈴のような冷やかしが飛んできた。
笑われるのはどうとでも耐えれたが、“男の身で飛ぶ”ことを誓った修夜にとって、この手の侮辱は筆舌に尽くしがたい自分の夢に対する冒涜行為なのだ。
小学生の時分には、これが元で近所のクソガキ数人を病院送りにしたことさえある。
「そういうテメェはどうなんだ、どっからどう見たって洗濯板のまんまじゃねえかっ!!
 ……あぁ、悪ぃ悪ぃ、そういえばいつもそこら中走り回ってるから、胸に栄養は届く前に全部使い切っちまうんだったなぁ〜?」
地中に埋まったダイナマイトに、遠隔操作でスイッチが入る。
「…… な ん で す っ て え ぇ ぇ っ ? !」
そしてそれ“も”、すぐ近くで盛大に爆発を起こした。
「あ〜、スマンスマン。でもお前が引っ越していく前に、『グラビアモデルみたいに色っぽくなってやる』って意気込んでたから、その目標はどうしたのかな〜っと……」
「こっ……、これでも |《1cmぐらい》 は育ってるのよ!!」
「なぁに〜っ、聞こえんなぁ〜?」
鈴は小柄だ。およそ150cmと、日本人の小学生並みの身長しかない。
くわえて、二次性徴による女性的な肉体の成長も、見て分かるほどに著しく遅い。
周囲の女の子が次々と女性らしい身体へと育っていく中で、鈴にとってそれは多大なコンプレック
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