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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十五話『クラス代表の決定と懐かしき転校生・後編』
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ずくぐもってしまう。
鈴は日本を離れて以降、修夜たちには一切の連絡を寄越していなかった。
電話や電子メールはおろか、手紙やハガキの一通すら寄越さず、今日のこの日までまるで鈴からの便りは修夜たちには届いていない。
鈴のIS学園入学の話も、修夜はこの日この時に聞くのが初めてなのだ。
「いいじゃない、そんなこと、アンタに何の関係があるっていうのよ!?」
「確かに、何も関係ねぇな。だがまぁ、不本意だが、曲がりなりにも『幼馴染み』が帰ってきた理由を聞いてもおかしくはねぇだろ?」
がなる鈴に、一歩も引かない修夜。
確かに、お互いに長い付き合いである以上、そう聞くのは普通の事である。
何よりここは、IS学園と言う世界の法例さえ易々と手が出せない、“明け透けな秘境”という特殊環境である。
ISが操縦できることは予測できても、こんな中途半端な時期に転入と言うのもおかしな話である。
熱くなることはあっても、捻くれ者ゆえに相手の直情人間のいなし方には一日の長があった。
しばらく唸ったあと、鈴が憎々しげに口を開いた。
「……アレよ、私も……モ……
世界大会
(
モント・グロッソ
)
に出てみたくなったのよっ!!!」
「……はぁ?」
正直に、修夜はこの返答をおかしいと察知した。
【モント・グロッソ】とは、IS操縦者の世界一を決める3年に一度の世界大会である。
分かりやすく言いかえれば、ISによるオリンピックだ。
既に3回目の開催を終えており、修夜も一夏も、ある経緯から実際にその眼で直に大会を見たことがあった。
大会に出場し、優勝すること。それはISによる競争経済が確立された現代において、各国の威信をかけた“代理戦争”ともなっていた。
優勝者には絶大な栄光と名誉が約束され、活躍の仕方次第では、何不自由ない将来さえ手に入る。
IS操縦者であれば、一度は誰も場夢見るあこがれの場所。それがモント・グロッソなのだ。
「お前、アタマ大丈夫か……?」
「い、いきなり何失礼なこと言ってんのよ!?」
「いや、お前を知る人間だったら素直にそう質問する。つか、普通に考えて、そんな理由でお前がここに来るわけねぇだろ」
修夜は曲がりなりにも、目の前の少女の『幼馴染み』であり、普通の友人と比べて彼女の性格は熟知している。
思いこめば一直線、他者の流言どこ吹く風、将を欲すれば将を射ろうとする気の強さと短さ。
修夜が知っている彼女は、自分の行為について考える頃には行動をすでに終了させている、そういう性格なのだ。
猪武者
(
いのししむしゃ
)
という言葉があるが、小柄な少女の鈴を体現するに、これ以上にない表現である。
この少女が本気なら、学園の入学式に間に合わなかったことに、今この場で腹を立てていてもおかしくないぐらいなのだ。
そしてなにより、『出てみたくなった』などとい
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