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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十五話『クラス代表の決定と懐かしき転校生・後編』
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ら苛立ちながら叫ぶ声が耳に届く。
そのキンキンに響くがなり声に、修夜は思わず遠い日の記憶をよみがえらせてしまった。
(まさか、なぁ……)
他人の空似、のはずである。なぜなら修夜が知るその声の主は、一年も前に一身上の都合で国外へ“引っ越したはず”なのだ。
気のせいだとかぶりを振りながらも、修夜は自分の右20mほど先にいるの少女の影を見つめてみた。
「――――マジかよぉ……」
修夜は、驚愕した。
人間、心底驚くと、もはやリアクションすら固まるものである。
しかしこの瞬間の修夜の場合、驚くと同時に遭いたくもない“厄介者”を見つけてしまった気分に襲われた。
赤みがかった黒の長髪をいわゆるツインテールでまとめた、小柄で気の強そうな目つきの少女。
髪を束ねる黄色いリボンが、少女の活発な性格を暗示させる。
その姿は、別れた1年前とほぼ寸分も違わず“同じ”であった。
「何で鈴の奴がここにいるんだよ……?」
凰鈴音
(
ファン・リンイン
)
――。修夜と一夏にとっての、二人目の幼馴染みだった。
本来ならば、再会のこの瞬間を手を取り合って喜ぶべきものだろう。“本来なら”ば――。
ところが修夜にとって、凰鈴音という少女は“別の意味で特別”な存在であった。
おもに、【マイナス】の意味で……。
見れば、鈴は自分の探しものが見つからないことに苛立っているらしく、腕を組み、爪先の上げ下げでしきりに足を踏み鳴らしていた。
――今見つかるのはヤバい。
直感的にそう考え、修夜は鈴の動きを観察しながら、抜き足差し足でルートを迂回しに入る。
だが、これがまずかった。
あと数メートルほどで建物の陰というところで、修夜の武人としての直感が緊急信号を発し、修夜はそれに従ってとっさに身を屈めた。
すると一拍もしない間に、子供の握りこぶしほどもあるような石が、凄まじい速度で修の頭上をかすめて行ったのだ。
ごつんっ、という石とアスファルトのぶつかる音を聞きと同時に、またしても同じ気配が近づいてくる。
すかさず鈴を見た修夜は、彼女が自分に対して第二射を放った瞬間を目撃する。
慌てて今度は身体を左に転がし、鈴の動向を確認しながら態勢を立て直す。
「テメェっ、鈴っ!!!
いくらなんでも、人を殺す気かあぁっ!?」
普段は冷静な修夜に珍しく、思わず声を荒げる。まぁ、こればかりは誰しも、抗議の声を上げたくもなるだろう。
「そこのアンタこそ、ナニ人のことジロジロと見てんのよ!」
鈴も自分の投石を避けた
修夜
(
ふしんしゃ
)
に向かって、ヅカヅカと足を鳴らしながら歩み寄っていく。
「っていうか、私の名前知ってるとか、誰なのよアンタ!?
だいだい、何で男なんかがこの学校で制服着てうろつい……て…って……」
憎々しげに自分を睨む男の姿に、鈴はかつて日本で自分と同じ時間を
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