暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十四話『クラス代表の決定と懐かしき転校生・前編』
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前代未聞である……。
「お…お話とか、出来るんですか…!?」
異様なテンションのハジケっぷりに、説教モードの箒も、反省モードの一夏も思わずセシリアに注目する。
そんなことなどお構いなしに、セシリアはシルフィに興味深々だ。
《ま……マスター、この人怖い〜〜〜!!》
思わず反対の肩に逃げたシルフィを見て、セシリアは思わず寂しそうな顔を浮かべる。まるで蝶を観察していて逃げられた子供である。
「イギリスって、魔法の国だもんな……」
一夏のぼやきを耳にして、俺もはたと思い出す。
イギリスは産業革命以降、急激に頭角を現した列強国である。
だがその一方で、実はファンタジーもオカルトも大好きな、日本に負けず劣らずの“不思議の国”なのだ。
外国産のファンタジー小説の多くはイギリスを源流とするものが多く、エルフ、ホビット、アーサー王とエクスカリバー、魔法使い、妖精伝承、ストーンサークル、都市伝説、その他エトセトラエトセトラ……、とファンタジー関連には枚挙にいとまがない。
おそらくセシリアも、そういう“不思議大好きイギリス人”の血が騒いだのだろう。警戒するシルフィに目を輝かせながら、おいでおいてと小さく手招きを繰り返す。
そんなセシリアが少しおかしくなり、俺は思わず小さく笑い声を洩らした。
「シルフィ、ごめんだけど、少しセシリアに付き合ってくれないか?」
《え……、えぇ〜〜〜…?!》
至極不満そうなシルフィだったが、念押しに頼むと言うと、渋々だがセシリアの居る方へと向かった。
《え……っと、ボク、エアリオルのサポートAIのシルフィっていうの。……よ……よろしく…ね……?》
「わ……わ……、わたくし……!」
《知ってる、セシリア・オルコットさんだよね。マスターとはいろいろあったけど、今は仲良しなんだよね?》
「え……、ぁ……、えぇ?」
シルフィに話しかけられ興奮気味だったセシリアだったが、シルフィの発言に驚きと戸惑いの表情を見せた。
まぁ、セシリアは知らないだろが、シルフィはあの試合以来……って、ちょっと待てよ。
「いろいろ……あった……?」
そしてセシリアは、何かを思い出したのか、急に固まってしまった。
――あれ、何か今変なものを踏んだような気が……って、あ。
あああああああああっ!?
あった、一つと言わずに二つもあったっ!!
あれ、セシリア、ちょっとなんか、顔が蒼くなっているような……、具合でも悪いのか……?
……って、違うちがう、なんとか弁明しておかないとぉっ!!
「あ〜……、実はな……、さっきも言った通り、コイツはエアリオルのサポートAIでさ……。
 そのぉ〜……エアリオルが待機状態でも、シルフィだけは外界からの情報を常に取得しているわけで……」
まずい、今更気がついたがこれはもしかすると気まずい……!
「……
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