暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十四話『クラス代表の決定と懐かしき転校生・前編』
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れた。
その小言を続ける箒に、ブツブツと言い訳する一夏。

その後ろでも、テンション低めでうなだれるセシリアがため息をついていた。
これも、原因は同じ時間帯にあった。
一夏がグラウンドにクレーターを空けるという珍事をやらかしたものの、空中での操作がひとしきり終了すると、今度は武器の展開を見せることになった。
まずは俺が実践。一番イメージしやすいストライクファングを右手にイメージし、現出(セットアップ)する。シルフィに頼めば手っ取り早いのだが、今はあくまで授業の一環、とりあえず自力でやってみる。結果は0.4秒とまずます。もっと早くなかったかと千冬さんに訊かれたが、普段はシルフィの補助を受けていると正直に話すと、ならあの妖精に頼らないようになれと要求してくるのだった。……内部通信でシルフィが、思いっきり千冬さんに舌を出したような声がしたので、あとで誤解を解くのが大変そうだ……。
続いて一夏なのだが、ここでも上手くイメージできないのか、雪片二型の輪郭が出現して実体化するのに2.5秒という結果になった。……たしか、俺と戦ったときはもっと早かったよな?
最後にセシリアだが、右手に大型レーザーライフル『スターライトmkV』をすばやく展開し、記録は0.2秒をマーク。ここまでは良かったのだが、次の瞬間に千冬さんからの駄目出しが飛んできた。よく見るとセシリアは、スターライトの銃口を思いっきり一夏に向けており、彼女の右手側にいた一夏も驚いて後ずさりしていた。
そこから千冬さんによる辛辣ともいえる追い打ちに遭い、その方がイメージしやすいのだと弁明するセシリアだったが、取りつく島もなく千冬さんに“直せ”と押し切られてしまったのだった。
《まったく、あの人なんだっていうんだよっ!!》
いつの間にか具象化していたシルフィは、俺の肩の上でへそを曲げていた。
「そう言うなよ。千冬さんも、あくまで俺たち生徒を強くしようとして言ったことだろうし。
 それに事実、お前に頼りっぱなしでいざ何かあったときに、俺自身も対応出来ておいたほうが身のためだしな」
すると、さっきまでしょげていたセシリアが、ずいと俺の肩にいるシルフィに向けて顔を寄せてきた。
「あ……、あの……、これは……?」
「……そういえば、お前に紹介するのは初めてだったか。俺のISの操縦を補助してくれている“AI”のシルフィだ。
 ちなみに、この姿はホログラフィーだから、実体がある訳じゃ……」
「よ……妖精さん……ですの……!?」
あの、セシリアさん……?
「いや、だからエアリオルのAIでホログラフィ……」
「か……、可愛らしいですわ!!!」
全然、人の話なんて聞いちゃいなかった。
黄色い声を上げるセシリアの眼は、もうなんて言うか子供のようにキラキラと輝いていた。
こんな無邪気なセシリア、
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