第八話
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ッ!」
復活はヤトのほうが早かった。アーシアに駆け寄る。だが、その蛇の目は捉えていた。アーシアの体温の急激な低下に。
「父上ッ! ご主人がッ! このままじゃ……」
「そうやってな。またお前は一人の人間すら護れないんだよ」
震えながら、アーシアに近寄る朧。そして杖を振るう――しかし、
「なんでッ……何故傷が治らないッ!? ニーズへックっ!」
死をも覆す杖『ケーリュケイオン』でさえも、その傷が治らない。ありえなかったそんな事は、聖書の神により創られたその杖に、治せぬものなど――――ッ!
「ニーズへック、貴様ッまさか……」
「その通りだ。そいつの命は私の背の上、生き返ることはありえない」
「なぜッ…………、何故だッ、ニーズへックっ!? アーシアは関係ないはずだろう!? 何故私を狙わないッ!」
「決まっているだろう? お前のその顔が見たかったんだ」
そこで朧の何かが切れた。
「…………――――ひ、ひひひひひ、ふふはっはははっは」
「?」
訝しげに朧を見るニーズへック。
朧は笑う。笑う笑う。笑う笑う笑う。笑って笑って笑う。
くるくるくるくると、狂ったように笑う。
「はははっはっははっははあっはははっははははあはあははは」
「何だ……もう終わりかッ――――ッ!」
突然、ニーズへックの体が吹き飛んだ。その勢いを、空中で殺し体勢を整える。朧の追撃に身を構えるが、それは無かった――が、
朧は右腕を空に掲げていた。
ニーズへックもヤトも、その右手に見呆けた。
その右手に握られていたのは金のロザリオだった。それにハッとして、ニーズへックは朧に襲い掛かろうとする――その時だった。
――はるか上空の結界から無数の蛇があらわれる。
それは地面からも現れ、浮き出てくる。その蛇たちは、ニーズへックに巻きつき、その動きを規制する。
「くっ! 雑魚がッ!」
それをなぎ払うが、その蛇は無限に現れニーズへックに巻きつく。
「こッ、のッ! 野良風情がァァッ!」
圧倒的な衝撃が、全ての蛇を消し去った。そして、朧に再度向かおうと力を向けた、がそれは手遅れだった。
金のロザリオが神々しく輝きを放つ。それは先ほどの聖剣とは比べ物にならないほどの輝きを放っていた。
――それは金色の剣。
――かつて愛した少女が使用していた聖剣だった。
「I will offer a prayer to a constellation without now.」
――今は亡き星座に祈りを捧げよう
「The unforgettable figure disappeared so that it might be pri
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