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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第255話】
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ねぇッ!! ヒルトだってセンサー・リンク無しで当ててるのに何で……ッ」
苦虫を潰した表情で、ひたすら放つ織斑君。
ウェイトのある最大火力だと溜めるまでの時間もかかるし、まず当たらないのが世の常。
特に人サイズのパワードスーツ相手に当てるには相当な訓練をしないとリンク無しじゃ当てられない。
なら【何故】お兄ちゃんが当てられるのかと言うと、最低でも三〇分はアリーナのランダムに動き続ける的目掛けて毎日矢を放っているからだ。
……お兄ちゃん、皆が帰った後も一人でいつも居残って訓練のお復習とかをやってるのを私が知ったのは六月に入った辺りから――。
あの日も、涼んでから帰るよって言って私を含めた皆を無理矢理帰らせてから使用時間ギリギリまで使って訓練してたもんなぁ……。
お兄ちゃん、何も言わないから私も聞かないけど……そういった影の努力がお兄ちゃんの力になってるんだと思う。
的に矢を当てるだけなら誰でも可能だけど、お兄ちゃんは動く的に対して自分で当てる所を言いながら矢を放ってた。
――動き続ける的目掛けて、言った所に当てるのは正直私でも難しいし、お兄ちゃんも今はまだ三割ぐらいしか当てられてないけど……。
正直、六月時点で三割は当たってるのだからお兄ちゃんに才能が無いって事は無い筈なのに、いつ調べてもISランクはお兄ちゃんがEから上がらないなぁって一人ごちってたなぁ。
そんな考え事をしつつも、回避し続けていると織斑君は――。
「埒があかねぇッ! 零落白夜で一気に決める!」
そんな言葉と共に、雪片の刀身に光刃が纏い、左腕の多機能武装腕はブレードモードに切り替わり、此方も零落白夜の光刃が形成されていた。
……いつもの事だけど、織斑君って使いこなせない大威力の武装で私を大怪我させても良いって思ってるのかな?
絶対防御まで無効化するし、多分あの光刃……ラウラのプラズマ手刀と同じぐらい危なくて、生身に当たれば大火傷で死んじゃう気がする……。
……確か、織斑先生に零落白夜についてレクチャー受けてた筈なのに、これだけ乱用するのは何でだろう。
考えても答えは出ず、瞬時加速で一気に間合いを詰めてくる織斑君は、勢いそのまま雪片を横一閃に振り抜く――。
「悪いけど、それに当たるわけにはいかないのよねッ!!」
クイックブーストで避けるや、直ぐ様追撃するようにブレードモードに切り替えた雪羅による突き――。
これに当たっちゃうと死んじゃうから当然避ける。
太刀筋自体は単純で、織斑君の攻撃方法は袈裟斬り、逆袈裟斬り、横一文字に突きの何れかに、なんちゃって二刀流だから、見極め自体は難しくなかったりする。
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