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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第254話】
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、自薦も他薦も無いことにまたもため息をつく織斑先生。
「……織斑、前に出ろ」
「えっ、何だって千冬姉――いでぇっ!?」
ゴツンッ!という鈍い音と共に降り下ろされた拳骨が一夏の頭部に直撃、凄まじい衝撃だったのか頭を抱えて踞る一夏を――。
「『織斑先生』だ。 それと、私にそんなふざけた態度を取るものは例え弟だろうともれなく私の拳骨が貰えるということ、肝に命じろ」
「いてて……べ、別にわざとじゃ……」
抱えたまま見上げる一夏は、苦悶の表情を浮かべていた。
……てか実姉に対しても『え、何だって?』をやる辺りは勇者だな、勇者。
頭を擦りながら前に出る一夏は、早速ISを呼び出してその身に纏う。
【第二形態移行】したからか、見た目も大幅にかわり、更に機体も心なしか大きくなってる気がした。
「さて、織斑の相手は誰にするか……。 ――有坂、前に出ろ」
「え? えと……?」
「お、織斑先生? 私とお兄ちゃんのどっちが……?」
いきなりの指名だが、有坂だけだと俺か美冬かが全くわからないのが……。
「む、すまない。 ……妹の方だ。 有坂美冬、前に出ろ」
「わ、わかりました。 ……織斑君と模擬戦か……」
小さく呟くように言葉を発して前に出るや直ぐ様。
「村雲、来てッ!!」
腕のアームレットが光を放ち、大きく空に躍り出るとその身には村雲を纏った美冬の姿がそこにあった。
「美冬、模擬戦の相手よろしくな」
「ん。 ……此方こそよろしく。 でもそろそろいい加減下の名前で呼んでほしくないなぁ……」
「え? 何だって?」
「……織斑先生、彼を殴って良いですか?」
握り拳を作り、ピクピクとこめかみに怒りマークを見せる美冬に、一夏は――。
「……何で怒ってるんだ、あいつ……」
……と、明らかに原因はお前だよと皆の総ツッコミが聞こえた気がした。
「……殴るのは後にしろ。 二人とも、準備をしろ」
「了解です」
「あ、あぁ」
二人とも短く返事をし、さっきの試合同様に上空に急上昇――それと同時に投影型ディスプレイに二人が映し出された――。
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