第11話 決着
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だ。いや、現にそう言いたいのだろう。
そしてその言葉は、クルトの胸に闘争心を宿らせるには十分だった。
「がはっ…、じょ、上等だ…!いつか…、いつか必ず超えてやる…ッ!それまで精々元気でいろよクソジジイ…ッ!」
精一杯の負け惜しみ。
誰が何処からみても。
しかしレズリーはクルトに背を向けながら、楽しそうに笑った。
「―――じゃあの」
* * *
通路を歩きながら、レズリーは口元に楽しそうな笑みを浮かべていた。
「かかか!こりゃとんでもない怪物を解き放つ手助けをしてしもうたかもしれんのう」
しかしレズリーの表情に後悔の色は一切ない。
彼が感じるのは、将来自分の目の前に立ちはだかる強敵の存在だ。
「あと十年も経てば、全盛期の儂を超えるかのう…。おお、怖い怖い。流石ゾルディック家歴代最高の才能を持つと謂われるだけの事はある」
そう言いながら、レズリーは自身の腹部をさする。
そこには、クルトの最後の一撃、「雷霆」の跡がくっきりと残っていた。
「あれ程の念能力を見たのは数年振りかのう。最後は…。ああ、あの若作りジジイじゃったかの」
レズリーは「かかか」と好々爺然とした笑い声を挙げる。
「あいつやアリアの嬢ちゃんのような武偵がいるのならこれからの武偵界も安泰というものじゃ」
レズリー自身武偵を捨て、そして正義まで捨てた身だ。
しかし、だからといって悪を肯定している訳では無い。
「…儂は成す。悪になってでも。それが儂の―――正義じゃ」
そう呟くレズリーにはもう、先程のような笑みは無かった。
* * *
「こ、ここは…」
クルトは目を覚ます。
自分の背にあるのは、柔らかい何か。それを瞬時にベットだと理解し、それと同時にここが病院である事を理解する。
「運ばれたのか…」
クルトの記憶にあるのは、レズリーを逃した後、ダメージの影響で意識を手放した所まで。
恐らくあの後、救援がやってきて、病院に運ばれたのだろう。
そうクルトは考えた。
そして重要な事にも気付く。
「そうだ!アリア!アリアはどこに!?」
叫び、上半身を起こす。
レズリーの攻撃を喰らうまでは元気そうだったが、だからといって絶対に無事だった可能性は無い。
だからクルトは飛び起き、アリアを探しに行こうとベットから出ようとした。
「ここよ。ばかクルト」
聞こえたのは今クルトが会いたかった少女の声。
シャッ、というカーテンが開く音の方へ視線を向けると、そこにはベットに横になっているアリアの姿があった。
目立つピンクの髪はそのままに、頭には包帯、腕にや脚は
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