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ヒダン×ノ×アリア
第11話 決着
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「はあ、はあ、はあ」

 息を荒げ、今にも倒れ伏してしまいそうな身体に鞭打ちながら、クルトはアリアの元への歩を進めていた。
 彼の後ろには、前のめりに倒れたレズリーの姿が。
 レズリーの手首には手錠ががっちりと嵌められている。勿論レズリー程の膂力やオーラを持っている人間には殆ど効果が無いのだが、それでも無いだけマシだろうという事で嵌めている。
 そもそもクルトにしてみれば、「雷霆」を喰らい、10分やそこらで起き上がれるとは思っていない。あれはそれ程の威力のある攻撃だと自負していた。
 それに今、クルトの脳内を占めているのはレズリーではなく、一人の少女だった。

「アリア、大丈夫か…ッ!?」

 ―――だからクルトはアリアの元へ駆け寄った。

「ク、クル…ト…」

「アリア!無事か!?」

「な、なんとか…ね。そんな…顔しなくても…。大丈夫よ…ばか…」

 そうは言っても、アリアの状態はとても大丈夫そうには見えなかった。
 口からは大量の血を吐き、喋れる事は喋れるが、起き上がるのは無理そうだった。何より、レズリーの攻撃をまともに受けたのだ。骨の数本は確実に折れているだろう。

「そんな顔って。心配してんだろばーか。もうちょっと言い方ってもんがあんだろ?」

「ふふ。そ、そうね…。一応感謝してあげるわ。……ありがと」

 感謝の言葉を聞き、クルトは小さく微笑んだ。
 やはりアリアはこれくらい口が減らない方がらしい。改めてそう思い、同時に、先程までの心配が杞憂である事を再認識したクルトは安堵から小さく息を吐く。

「はあ。心配させ―――」

 瞬間。



 メキィ…。



(――――――な…)

 頭が。思考が。その全てが白に塗りつぶされた。
 クルトの身体を襲う凄まじいまでの圧力。そして自身の骨が軋み、音を立て、砕ける。そして―――。

 ドオオォオン!!!

 吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。

「―――ぁッッ!!?」

 肺から全ての空気が吐き出される。それだけでは収まらず、真っ赤な液体も大量に体外に吐き出された。
 そのままクルトは地面に倒れる。

「がはっ!ゴホッ!」

 血を吐き出しながらも、クルトは必死に視線を上に向ける。
 そこにはやはりというか、予想した人物が立っていた。

「レ、レズ…リー…」

 口から顎にかけて一本の血の戦を垂らしながら、嬉しそうな眼でレズリーはクルトを見た。

「まだまだじゃのう、クルト」

 そう口に出すレズリーの言葉には先程クルトの「雷霆」を喰らった際のダメージの残りなど一切感じられない。

(嘘…だろ…)

 まさに絶句。
 これ程までに現実を受け入れられない事態に陥ったの
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