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ハイスクールD×D 〜 Shade of the moon〜
Chapter,0 悲しみの陰
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それは寒い雪の夜だった。
一人の少年が雪の上で悲しく呟く。
「どうして……俺は……」
少年の手には“真っ赤“な血が付いた日本刀が握りしめられていた。
少年の目の前には赤く染まった雪が広がる。
その赤い雪の上で少年はただただ悲しく呟く。
「こんな力……」
蘇るのは自分の力が暴走したあの光景。
何をしても止まらなかった。
一体どれほどの人が自分の力で死んだ?
一体どれほどの人を自分は殺した?
また、こんなことが起きるなら自らの手で……
少年は日本刀の刀身を自分に向けた。
「フッ!!「止めな……」ッ!?」
勢いよく自分の腹を刺そうとした日本刀は止まっていた。
少年の腕をガッチリと掴む手が見えた。
少年はすぐに自分の腕を止めた人を睨む。
その人は30代ぐらいのおじさんだった。
少年は必死に腕を振りほどこうと力を入れるが全く動かなかった。
ついに少年は怒り狂った口調で聞いた。
「何故……何故止めたッ!!」
しかしそのおじさんは真っ直ぐな目で少年をじっくりと見ると、鼻で笑った。
少年は意味が解らなかった。
「お前ッ!!」
少年はすぐにあいている手でおじさんを殴ろうとする。
しかし、おじさんはそれを体を傾けて避けると、少年の顔を力任せに殴った。
「テメェ、そんな年で諦めんのかよ?」
何を……そう考えた少年の手からは日本刀がカランッと音をたてて地面に落ちた。
おじさんは再び真っ直ぐな目して少年を見ると顔を近づける。
そして言い放った。
「まだ先はある……テメェみたいな年だとな、いくら失敗しようがやり直せるんだよ。だがな、もし、テメェが死んだらよぉ、何もやり直せねぇぜ。何も・・・取り戻せはしねぇぜ」
「ッ!!」
何故だかその時のおじさんは、少年にはもういない父のように見えた。
すると、少年の瞳から熱いものが込み上げてくる。
気づけば少年はおじさんに抱きついて泣いていた……
おじさんはその少年に何も言わず、ただ黙って少年の頭を撫でているだけだった。
2人まるで本当の親子のようだった。
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