二十三 中盤戦
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と呼ばれるチャクラ穴の密集した八つの場所『八門』が身体の各部にある。
チャクラの量を制限するこの『八門』を開けば、脳の抑制を外し人の筋肉の力を限界まで引き出せる。体力・高速移動・攻撃力を高め、更に『八門』全てを開く事で少しの間火影すら上回る力を手にする事が可能となる。
「だがわしのように究極肉体を持たぬ限り、貴様は必ず死ぬ」
神農とて零尾の補助があるからこそ『八門』の開放を維持出来るのだ。闇のチャクラによる【肉体活性の術】を用いて、究極肉体を持つ者だけが『八門遁甲』を後遺症無しで扱える。
例えば『八門』全てを開いた者同士の戦闘。同等の力を持つ双方がぶつかれば苛烈な闘いになるのは必須。しかしながら勝敗がどうであれ、結果は同じである。どちらが勝つにしろ、両者の末路は死。
だからこそ【肉体活性の術】が生む究極肉体の意味がある。この術さえあれば、力は互角であっても同条件というわけではない。死なずに済むには究極肉体を持つ以外に他はない。
「さあ、どうする?」
自身を超越した存在と信じて疑わぬ彼は、面白い見世物でも観るように目を細めた。対峙するナルトの目が、瞬き一つせず神農の姿を捕らえる。
肉弾戦ばかり繰り広げている双方。両者の闘いを見守っていた香燐は内心首を傾げた。【肉体活性の術】を用いている神農は常に闇のチャクラをその身に纏っている。だがナルトは先ほどからずっと体術のみで神農と渡り合っている。チャクラなど微塵も使っていないのだ。
高く積み上げられた大理石から破片がひとつ、カツンと石畳に落ちた。
絡み合う視線。
一気に踏み込む。相手の懐に飛び込み、拳を振り被るナルト。だが顔面に到達するより前に、神農がその手首を掴んだ。そのまま捻じ上げようと力を込める。
途端、神農の視界を白が覆った。思わず力が緩む。
羽織を後ろに跳ね上げ、怪力から逃れたナルトがさっと屈み込む。屈むと同時に身体を転換。右足を軸に体を回転させ、左足で相手の脇腹を狙う。
振り向き様の蹴り。
横からの不意打ちに神農の身体がぐにゃりと曲がる。それに追い打ちを掛けるように、足払い。体勢を崩した神農目掛け、踵落としを繰り出す。
咄嗟に右手を床につき、転倒から免れる神農。その状態からナルトの蹴りを左腕で受け止める。
「ぬおおおおっ!!」
馬鹿力で神農は無理にナルトを振り払う。左腕一本で相手の蹴足を弾き、そのまま足首を掴み取った。ぶんっと放り投げる。
投げられたナルトが空中で回転。体勢を整えつつ、両腕を交差する。ギシリと何かが軋む音がした。
空中戦に持ち込もうと神農が腰を屈める。今の自分ならばナルトより高く跳べるはずだ。【表蓮華】の再現でもしてやろうか、と足に力を込める。だが何かにつんのめり、神農は思わず踏鞴を踏んだ。
瞬間、ひゅんっと風
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