少年の暖かな光は道を誤った老人の心に愛を灯した
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・・これも又ある一つの物語・・
ある世界に何処にでも居る様な平凡な
ある一人の男が居た
男には一人の兄と何百年も生きている
父の名を語った老人 一族の創設者が居た
男の名は間桐雁夜 兄の名は間桐鶴野
老人の名は間桐臓硯と言った
そして鶴野には慎二と言う名の一人息子が居た
そうなのである つまりは雁夜も又血塗られた
一族の末裔 殺し殺されるのが当たり前の
魔術師の世界で生きる定めを背負った
男であった否その筈だったのだ
しかし雁夜はそれを嫌悪し間桐家の支配者たる
臓硯に逆らって家を出た それは間桐家の
魔術の起源に理由があった
間桐の本来の起源は水 その真の姿は
水や大気中の蒸気を自由自在に操る水の
魔術の真髄
しかし不老不死と言う妄想に囚われた
臓硯によって何時しか間桐の魔術は人の
血肉を喰らい臓硯の糧とする生き地獄へと
変えられてしまった
雁夜は衰退を始めた間桐家にとっては
久し振りの希望であったのだ しかし
雁夜はそれを受け入れる事はなかった
「おい臓硯てめぇ今何て言った!!
二度も同じ事を言わせるでない
良いから言えよ!! 禅城の娘と結婚せよと
言ったのだ雁夜よ貴様あの娘が好きなの
だろう? 幸いにしてあの娘も貴様を
憎くは思っておらん てめぇ 後は儂が
上手くやってやる そうなれば我が間桐家も
安泰じゃ ふざけるな糞爺!! 何が
間桐家だてめぇの望みは葵さんの身体
だろうが!! 心配するなあの娘には
手は出さん はっそんな言葉信じられるか
本当じゃよ・・何故ならば貴様達が
結婚すれば間桐家最高の器が手にはいるの
じゃからな!! 器だと・・っ!?
・・臓硯てめぇ・・正か正か 大人の身体を
乗っ取るよりも精神が未熟な赤子の方が
効率が良いからのぅ 臓硯ってめぇ
其れが目的かぁあああ!! クハハ
ハハハ!! 何を怒っておるんじゃ雁夜よ
子供何ぞ幾らでもこさえれば良いではないか
その子供はどうせてめぇの予備の肉体に
されるんだろうが!! そんな事絶対に
させるかよ!! 成らばどうする儂と
戦うか? それよりももっと良い方向が
在るさ・・俺が間桐家から居なくなれば
葵さんは無事でいられるし間桐家も軈ては
衰退して亡ぶだろうさ 雁夜・・貴様
本気か? 貴様が居なくなれば禅城の娘を
儂が狙うとは思わんのか 葵さんには
時臣が居る彼奴は大嫌いだがあの野郎なら
葵さんを守ってくれるだろうさ 己ぃ
小賢しい じゃあな臓硯・・もう二度と
会わない事を願ってるぜ 良いじゃろう
今回は引いてやる・・じ
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