暁 〜小説投稿サイト〜
新 バトルロワイアル 番外編 雁夜おじさんの受難
少年の暖かな光は道を誤った老人の心に愛を灯した
[3/15]

[1] [9] 最後 最初

時臣の妻となり桜を養子に出す事を承諾
したのだ


真に子供を愛している母親ならばそんな事を
承諾する筈がない つまり正史においての
葵も又臓硯や言峰綺礼同様に壊れていたのだ


そしてそれを理解した時雁夜の心は壊れ
葵をその手に掛けた しかしそれでも
桜を救うと言う意志だけが彼を支えていた
しかしそんな彼も最後は救いたかった桜の
眼前で蟲に喰らい尽くされその生涯に
幕を閉じ様としていた


   キィキィキィキィイイ!!
   「(どうしてこんな事になって
しまったんだろう 俺は只桜ちゃんを
救いたかっただけなのに 桜ちゃんを
葵さんと凛ちゃんの元に帰したかった
だけなのに その為に三人の幸せの邪魔をする
時臣を殺そうとしただけなのに なのに
何がいけなかったのかなぁ)」


蟲達が俺の身体を喰らい尽くしていく
もう俺は助からない俺は此処で死ぬ 
否もう既に俺は死んでいたんだそれが
遅いか早いかの違いだけだ


でも俺が死んだら桜ちゃんはどうなるんだろう
このまま臓硯の思惑通りになってしまうん
だろうか


俺の目の前では感情を失った桜ちゃんが
無表情な瞳で俺を見つめている 其処には
嘗ての幸せ一杯の笑顔だった頃の面影はない


俺は懸命に腕を伸ばし口を開く


   クチャクチャクチャ
   「ごめんよ桜ちゃん君を助ける事が
出来なかった  ・・・・どうして?
  ぇ・・桜ちゃん?  どうして貴方は
そんな事するの  どうしてって桜ちゃんを
助ける為じゃないか!!  どうして
助けるの?  そんなの決まってるじゃないか
桜ちゃんを葵さんと凛ちゃんの元に返す為
だよ!!  でもあの人達は私を捨てたん
だよ?  違うよ桜ちゃん捨てたのは
時臣だ!! 葵さんはそんな事しない!!
  ならどうして桜を助けに来てくれないの?
  それは!?・・時臣に止められたから
  じゃあやっぱり桜は捨てられたんだ
  だから違うよ桜ちゃん!!  だって今
雁夜おじさん言ったじゃない  え?
  あの人は私の事より自分の愛する人を
選んだんでしょ?  っ!?」


その瞬間俺の脳裏に葵さんの言葉が甦った


  ・・(「貴方は何もわかってない
うぅん貴方にはわからないでしょうね
  どう言う事だよ?  本当に人を
愛した事のない貴方には私達の気持ち何て
わからないのよ!!  気持ちって何だよ!?
じゃあ葵さんは自分の意志で桜ちゃんを
捨てたって言うのか!!  そうよ  
嘘だ  私はあの娘を捨てた事に後悔何て
してない  嘘だっ  私は時臣の妻よ
あの人の決断は私の決断よ  嘘だぁあ
あああ!!  魔術から逃げ出した貴方
[1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ