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ベルベルの受難
第玖話
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になんかいられんもんね……」
ベルベルは気丈にもどうにかしてこの場を逃れようと身体を起こそうとした。ところが、
「え……?な…何…?…なんで……?」
声は出すことができでも、身体を動かすことができない。
落雷の衝撃はベルベルの身体をマヒさせ、自由を奪っていたのだった。
「う…そや……やだぁ…」
ベルベルの目に涙が溢れ始めた。
パアッ!
目の前で薄暗い夜空が閃いた。
「うぞっ!?」
ピシャアァァァァァァァァァァァァァァン!
「はぁうぅぅぅぅぅぅぅぅっ!ぐぎひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
2発目の雷がベルベルのヘソを直撃した。
縛められた身体を大きく仰け反らせて絶叫を上げるベルベル。
避雷針の働きをする髪飾りは落雷のエネルギーで相当の熱を持ち、ベルベルのヘソをジリジリと焦がす。
ヘソに突き立てられた髪飾りを中心にしてヘソの周囲が赤く腫れ上がる。
相当の熱がベルベルのヘソに襲い掛かるが、落雷の衝撃で神経がマヒしているせいで、あらゆる感覚がワンテンポ遅れてベルベルを支配する。
「くふぅぅぅぅ……、はあぁぁぁぁぁぁ…、く…、うぅぅ…あ…熱いぃ…おヘソが熱いよぉ…」
弱々しい声でヘソに伝わる痛み、熱さを紛らわせようとしたが、息を整えるのがやっとだった。
わずかな時間で息を整えた途端に雷が三度ベルベルのヘソを狙う。
ピシャアァァァァァァァァァァァァァァン!
「ふんっ…ぐうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
巨大なエネルギーを何度もヘソに受けてしまっては、さすがのベルベルも満足に呼吸ができない。
「ううぅぅぅぅぅっ……!ぷはあぁぁぁ!」
ハァ…ハァ…ハァ…ハァ……
ベルベルは腹を大きく上下させて呼吸を整えた。
ヘソに突き立てられた髪飾りが呼吸に合わせてピクピクと脈打ち、その動きが滑稽さを醸していた。
もっとも、ベルベルにそれを感じ取る余裕など無い。
「う…ウソ…ウソや……ウソに決まってる……ぜった……」
ピシャアァァァァァァァァァァァァァァン!
「いっ……ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
雷は情け容赦なくベルベルのヘソに落ちた。
「くぅぅぅ…あ…熱い…おヘソが痛い…もうヤダぁ!」
つぶやいても、もがいても、髪飾りがヘソから外れる気配はない。
頭を起こして自分のヘソの様子を確認しようとしたが、満足に頭を持ち上げることができない。
見えるのは、細長い針が胸の谷間から垂直に突き出ている様子でしかない。
異常なまでのヘソの感覚から判断すれば、かなりのダメージであることがベルベルにも想像できた。
事実、髪飾りは原型こそ留めていたものの、最初の落雷の衝撃によって装飾品が跡形もなく崩れ落ち、さらに真っ赤に焼け、そのエネルギーをベルベルのヘソに伝えてい
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