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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
番外編 「雨が降る (前編)」
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うとは思わなかったようだ。先ほどまで泥にまみれていた髪を弄りながら溜息を吐く。
「絶対防御って髪の毛は守ってくれないのね・・・おかげでちょっと痛んじゃったかも」
「守っていない訳ではないが優先度が低い。もとより長い髪を守りきること自体技術的には難しいからな。学園では言及されていないが・・・軍人の意見としてはIS操縦者の髪形は短いほうがいい。三島のように髪が邪魔にならないお団子ヘアにするか、佐藤さんや相川程度の長さがギリギリ許容範囲だろう」
「そーいうアンタは長いみたいだけど?」
「同僚に止められているのだ。ハイパーセンサーの妨げにはならないだろう、とな」
実際にはもう一つ、元教官のクラースに「少しは女の子らしくしていた方が相手に心理的効果を望める」という教えも絡んでいるが、それを表に出さないでおくことこそが相手の心を騙す極意。碌でもない事を教える教官である。―――と、そんな3人の背中に声がかかる。
「まぁその方が可愛くていいんじゃないかな?少なくとも僕はそう思うな」
「あ、シャル。遅かったな?」
「ごめんごめん、ちょっと雨を眺めてたらぼうっとしちゃって・・・」
「雨を・・・?」
首肯するシャルに一夏と鈴は首を傾げた。雨がそんなに珍しいだろうか?確かに今年の学園周辺の天気は殆ど雨が降らない日が続いているが・・・と、そんな疑問が顔に出ていたのか、シャルが笑う。
「ああいや、昔から好きなんだ。雨の日ってさ」
= = =
その昔、イースター島は緑溢れる土地だったそうだ。人々はそこで生活を営み、あの有名なモアイ像を作った。だが、モアイの運搬、船の製造、建築などに使うために木々を次々に斬り倒した結果、島の土壌が流失してしまった。
食料や資源が減った住民たちは他の部族と争う様になり、権威の象徴であるモアイをさらに増やした。それによってまた森林が減ってゆくという悪循環の末に陥った結果、イースター島の人口は激減。文化レベルは石器時代のそれまで落ち込んだ。
時代は変わってIS学園。どういった思想でそうしているのかは知らないが、土壌の流失を防ぐために最新の技術が導入され、学園内部は常に緑の木々が生い茂る様に完全に管理されている。降り注いだ雨水は余すことなく大地に吸収され、学園内の浄水装置でこの学園に住む生徒たちが利用する水へ。環境的にも実に良いと言える。
・・・が、この島は元々は緑の少ない場所だったらしい。それを埋め立て、後から土を持ってきて木を植え、整えるところを整えてこの環境になっている。森に棲む生物は草木も含めその全てが徹底的に学園専属の管理者たちに管理され、蜂や蚊などの害虫は徹底的に駆除され、ネズミなどの病原菌を媒介する生物は全てが薬殺されるとか。病気になった木はすぐさま処置を受け、見栄
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