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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第二十一話「修行終了 上」
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たないと思う。
不意打ちも効かないし接近戦もダメ。となると――。
「罠をしかけるしかない。自分を囮にして」
出来るか……? いや、やるしかない。
どんな罠にしよう、どうやって罠に掛からせるか。
考えがまとまったのは朝日が昇った翌日だった。
† † †
「いけるかな……いや、やるしかないんだ……」
大丈夫、死にはしないと思う。……たぶん。
あれから色々と準備に時間を費やしてなんとか間に合った。
今日で試験最終日。
頭の中には一日かけて考えたプランがあるが、正直成功するかなんて一割も満たないと思う。これがダメだったらもう後がない状況だ。
今俺は木陰に身を隠して息を潜めている。
視線の先には先生が周囲を窺うようにゆっくり歩を進めていた。彼我の距離は二十メートル。
――よし、い、いくぞ……!
木陰から飛び出す。僅かな音も聞き逃さず先生がこちらを振り向いた!
「ブルゥゥゥウウウウウウウウオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォ――――――!!」
「うわっ、きた! 怖えぇ〜っ!」
早く逃げないと。
幸い先生の足は遅い。十分距離を確保できる。
付かず離さずの距離を保ちながら先生を特罠が仕掛けてある場所へ誘導する。
その罠というのは定番中の定番である落とし穴だ。
昨夜のうちに別荘に戻り、倉庫にあったスコップとレジャーシート等を使い作った。
深さは三メートルほど。中に竹を槍のように尖らせたものを設置しようかと思ったけれど、さすがに危ないから何も入れていない。まあ先生ならそれでも無事でいそうな気がするけど。
ぶっちゃけこの落とし穴は足止め程度のものだ。足を挫けば御の字程度。
この罠は二段構えになっていて、落とし穴の上にはレジャーシートがピンと張られている。シートの中には大量の水が入っており、縄を切ればすぐに落とせる仕組みだ。
先生はスーツを着ている。そのため水で服が肌に張りつけば動きの妨げになるだろうと思ってのトラップだ。落とし穴の本命はこちらである。
――よし、なんとか誘導できた!
先生の前には少し違和感が残る地面。穴に蓋をするため少し盛り上がっているが、先生は目を閉じているから見分けられないだろう。
ズボッ、と音を残して先生が落とし穴を踏み抜く。狙い通り先生の姿が穴の中へと――。
「イィィヤァッ!」
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