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幽霊だからって恋がしないとは限らないっ!
失われた記憶。
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「ああ、そう言えば言ってなかったな、お前はヤクザの二代目、獅童伊織だ」
「えっ?ええぇぇぇぇぇぇぇ!!」


家に着くと執事のような人が出迎えてくれた。
「伊織様!記憶をなくされたとは本当ですか!?」
「えっ?う、うん、あなたは?」
「・・私は影山と申します。」
影山と名乗った男は深々と礼をした。

「伊織、記憶がなくなったの?」
「あ、はい・・・・・すいません。」
「そう・・・・私はあなたのお母さんの獅童由美子、ゆっくり記憶を治していきましょう。」
「はい・・ありがとうございます。」

俺は案内された自分の部屋に一人で寝転んだ 。
「伊織・・・・」
「ぐおっ!?」
俺は飛び上がるように起きて、声の主を探した。
「伊織・・・記憶がないんだね。」
脳裏に焼き付いた何かが、吐き気を模様した。
「伊織!?」
「・・・今・・記憶が・・・」
「伊織!どうしたの!?」
「あ、ああ、だいじぃうぶです。」
「・・・・私は、水嶋霙、幼い頃から一緒にいたの。」
「すいません・・・」
「いや、謝ることはないよ!」
「皆さん、優しいですね。記憶がある俺はこんな人に囲まれてたんですか。」
「そうだね、」
俺は霙の隣に座った。
「・・・・伊織、キスしよっか。」
「・・・・なんですか!?いきなり?」
「キスしたら何か思い出すかも・・・」
霙の顔はどんどん近づいてくる。
「ダメです・・・」
「えっ?」
「今の俺は貴方の好きな伊織ではありません」
「・・・・そっか、ごめんね?なにやってたんだろう、私。んじゃ帰るわ」
霙はこっちに顔を向けずにドアを開けた。
「待ってください!・・・・」
「?」
「少なくとも・・・俺は、今の俺は貴方の事が好きです!」
「・・・ありがとう♪」
そう言うと、霙は涙を貯めた目をこっちに向けた。
「んじゃね!」

霙は走り去っていった。
「・・・・・俺は・・・いったいなんなんだ?」
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