第2章 赤龍帝と不死鳥の騎士団
第18話 悪魔の証明
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
得した。表情は、一切悲観しておらず、余裕さえみられた。
リアスたちも毒気が抜けてしまい、とりあえず、全員で強化合宿を行うことを決定してから、解散になった。
(私と距離を置くときに感じる壁。いえ、グレモリー眷属の皆に対しても一線を越えないようにしているように思います。家族の方たちと過ごす姿を見れば、違いは明らか)
しかし、リアスの提案を蹴った時、はやての瞳に一瞬だけだが強い感情が浮かぶ。
一瞬だけ映ったその感情をアーシアだけは、見逃さなかった。
彼女瞳に過ったそれは――憎悪。
(あのとき、瞳に映った激しい憎悪の感情。しかし、それ以外で不審な態度は見られなかった。部長との付き合いも長いときく。日頃親しい姿も見ている。ならば、私の勘違い……?)
なぜ、アーシアたちと距離を置こうとしているのかは、わからない。
いや、はやて自身わかっていないのかもしれない。
アーシアが、余所余所しくなった理由を尋ねた時、はやては、適当にはぐらかしていた。
そのときの様子を思い返すと、彼女自身戸惑っていたように思える。
しかしながら、より深刻なのは――
ライザーを拒絶したときの態度。
私たちと適度に距離を置こうとするときの態度。
―――――この二つは繋がっているのではないか?
それに気づいたとき。アーシア・アルジェントは、云い様のない不安が身を襲った。
(杞憂であることを祈ります。しかしながら、今後、注意した方がいいのかもしれません)
悪魔になったいまも、身を焼くような痛みに平然と耐えながら、彼女は神に祈り続ける。
最近になって、彼女は、他者だけではなく、自身の幸せについても、祈るようになった。良くも悪くも、グレモリー眷属の温かさが、彼女を変えたのだろう。
いまのかけがえのない日常が続きますように。
大切な人たちと平和に暮らすことができますように。
――――その姿は、まさしく、聖女のような悪魔だった。
◇
ずーん。
いまのボクの心境はその一言につきた。
制御不能な衝動に押し流されレーティングゲームへの参加が決定。
不覚だった。
大勢の前で実力を披露することになるので避ける予定だったのだ。
ヴィータたちにも叱責され心が折れそうになる。
が、すぐに励まされレーティンゲームには絶対負けない、守ってみせる、といわれほろりときた。
そんなみんながボクは大好きだ。
自分の身まで賭けた以上、万一にも負けるわけにはいかない。
大丈夫だとは思うが、準備に余念がない。
「マスター、あの魔法を使うのですか?」
「ああ、もちろん。相手は不死鳥フェニックス
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ