暗黒の時代
第3話
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!」
そう言うと、メニューを素早く操作し、紺色がかかった初心者装備からクエスト報酬コットンシリーズへと装備をかえていく。まず、豊かな胸元を強調したグレーとホワイトのチューニックが出現した。事もあろうか、腋が露出しており、隠すところはしっかり隠しているのだが、夏着のようなデザインだ。次に純白のミニスカートに白い足をグレーのニーハイソックスが覆う。足にはヒールが多少ついている同系色のブーツを履いていた。そこに派手さは微塵も無かったが、女性らしいラインがくっきりと表れており、少年は不本意ながら彼女に劣情を催してしまう。
「えっと・・・これは・・・」
「いや・・・なんというか・・・」
アビーの顔面が紅色に染まっていく。アレクシスは直視しているのが悪いような気がしてきて、手で顔を覆う。指を開いてちらっと彼女の様子を伺うが、大声で「見ないでください!」と拒絶されてしまう。
「はあ・・・。もう、いいですよ」
手を外すと、そこにはさっきまでのだぶだぶの初心者服の彼女の姿があった。
「なんですか。あのデザインは・・・」
「セクシャルハラスメントには厳しかった筈だけど、まさか開発元がセクハラそのものだとはな・・・」
「真面目な顔してもっともらしい事言わないでくださいっ!」
勢いよく平手で後頭部を叩かれる。今は同パーティー内なのでダメージは通らないが、ヒットポイントが1か2は減ってもいい衝撃だった。
「いてて・・・。でも、似合ってたぜ」
「私みたいな年齢が着たら、それこそ犯罪ですよ・・・」
ふと、声がした方向を見やると、近くに設定年齢が10代くらいの少年少女のパーティーが見えた。さっきのクエスト装備を身に纏い、楽しそうに談話している。
「あの子達くらいの年齢だといいんでしょうけど・・・はあ」
がっくりと肩を落とすアビー。
「いや、アビーも十分若いって」
「アレク君に言われたくないですよ・・・」
再び、大きく「はぁ」と溜息を大きく吐いた。
「気落ちしてても仕方ない。その装備は分解するか、売るかして処分しようぜ」
「・・・ですね」
「それと、直前まで言わなかったけど、ここの牧場でお楽しみがあります」
「何です?」
・・・。
「ハイヨー!」
手垢が付き過ぎた台詞をアビーが上機嫌で叫ぶ。
「お楽しみって言っただろー!」
2人は茶色の馬に相乗りし、風を切りながら夕暮れの平原を駆けていた。手綱を握るのはアレクシスの方だ。
馬が支給されるクエストがあるのだが、アビーは「運転とか、操縦とか全く駄目なんです」と言って聞かなかったので、彼女をとりあえず後部に乗せる事にし、今はクエストを放置してホワイトウッドに向かっている。
「凄いです!速いですー
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