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TARI TARI +TARA
飛び出したり 誘ったり 飛びかかったら その2
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分はあろうかという巨大な蓮の花束だったのだから。
これを原付きで運べと言うのは、流石に無理がある。
おのればあちゃんめ。また大げさに考えたな。
注文を祖母任せにしていたのは自分だが、それにしたってやりすぎである。
花谷さんもそれを察したのか、蓮の花束を引き戻す。

「それじゃあウチで少し切り分けるかい? 残りは、帰りにでも取りに来てくれればいいから」

なんともありがたいことである。開店前だというのに商品を出してくれたこともそうだが、ここまでしてくれるとは。
それに今日は土曜日で学校も早くに終わるので、取りにくる時間は充分にある。
これは深々と頭を下げざるをえない。

「すいません。……お願いします」

「衛太郎君のところはお得意さまだからね。これくらいは気にしないでよ」

花谷さんは笑いながらそう言い、花と一緒に開きかけのシャッターをくぐって店内に戻って行った。
そのうちに、ケータイを取り出して時間を確かめる。
今から出発しても充分間に合う時刻であることを確認すると、ホッと息を吐いた。

「あれ、津川君……?」

不意に、声をかけられた。
そちらに目をやると、そこには自分と同じくらいの歳の少女がひとり、自転車を押している。
少女が着ている青灰色のワンピース形をした制服は、間違いなく白浜坂高校の音楽科のものだ。

「あ。坂井さん……」

クラスメイトの坂井和奏(さかい わかな)は、花屋の前で自転車を停めた。
ここで、衛太郎の特徴をひとつ挙げておこう。
そのシャッターのような前髪から根暗を自覚する通り、衛太郎は人付き合いが得意ではない。特に、女性で同い年というのは一番苦手だ。正面から目を見ることができないし、会話も尻切れとんぼになってしまうことがほとんどだ。
だからといって、別に女が嫌いなわけではない。ただ、苦手なだけ。
女性慣れしていない上に会話のボキャブラリーも多いわけではない。年頃の女子からすれば、つまらない奴とカテゴライズされても仕方がない。
和奏と話すのはこれが初めてではないが、すれ違いざまに軽い挨拶を交わした程度の仲でしかない。
つまり、衛太郎にとっては接しづらい人物の一人だということだ。

「おはよう。津川君もここで花買うんだ」

「あ、いや。俺がっていうか、俺のばあちゃんがよく来るから……」

ぼそぼそ声で言ってしまったので伝わったかどうか不安だったが、和奏からは「そうなんだ」という短い言葉が返って来た。
そのとき、シャッターの向こう側から花谷さんが姿を現した。
その手には、三本ほどにカットされた先ほどの蓮の花がある。

「はい、お待たせ。それじゃあ残りは後でねーーあれ、和奏ちゃん、どうしたの? こんな朝から?」

「おはようございます。すいません。昨日
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