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TARI TARI +TARA
飛び出したり 誘ったり 飛びかかったら その2
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ぴったりと当てはまる。
間違いなく、衛太郎本人の顔だ。
簡単に寝癖をなおすと、手早く歯を磨いてネクタイを占める。
それが終われば、いよいよ登校だ。
玄関にしゃがみこんで履き古したスニーカーに足をいれ、緩んだ靴紐を結ぶ。
それを確認すると、ショルダーバッグを肩に掛けて下足棚の上の鍵を取った。

「んじゃ、行ってきます」

「行ってらっしゃーい」

返って来た邦江の声を背中で聞いて玄関から外へ出る。
登りかかった朝日が目に刺さり、目を細めながら車庫へ。
そこに、衛太郎を呼び止めるかのように犬の鳴き声がとびこんできた。
車庫の裏手の犬小屋につながれていたのは、津川家の愛犬。その名も定吉(さだきち)(祖母命名)だ。
こげ茶の毛並みにはかなり目立つ真っ白な眉毛がチャームポイントで、近所のちびっ子からは可愛がられている。
器の中にドッグフードを半分残したまま、今日も見送りをしてくれるようだ。

「よしよし、定吉。今日も行ってくるぞー」

頭を撫でてそう言うと、まるで応えるかのようにワンと一声鳴く。
それを聞くと、衛太郎も車庫へと入り込む。
自家用のワゴン車の隣に停めてある原付二輪車を見つけると、ハンドルに掛けてあったハーフヘルメットを被って留め具をつけた。続いてなれた手つきで鍵を原付きに差し込み、エンジンがかかったのを確認して車庫から押し出す。
日の下に出てバイクにまたがると、そこからようやく出発した。
中古車の軽いエンジン音をかき鳴らしながら、坂を下って行く。
衛太郎の通う白浜坂高校では自転車通学か電車通学が主だが、あいにく自宅近くに駅が無い上に坂も多いので、特別にバイク通学を許可されている生徒もいた。
体力に自信のない衛太郎には、都合のいい乗り物だ。
いつもと同じ風を感じながら、黒い原付きバイクは第一目標である商店街に向かって走って行った。











邦江ご用達の花屋『花は花谷』(この店名はギャグでないと思いたい)は、商店街の入り口近くにある。原付きなら十分ほどで着くのだが、今日は運良く信号に引っかかることもなかったので、いつもより早く着くことができた。
そして、衛太郎はそれを幸運だったと、今まさに思っている。

「でかっ!?」

というのは、邦江から言われていた花を受け取ろうとした衛太郎の第一声である。
柄にもなく大声を出してしまい、気恥ずかしさに襲われた。

「あ、やっぱり? いやぁ、電話もらったときに思ったんだけどねぇ。衛太郎君が持って行くって言うから、少なくていいんじゃないかって言ったんだけど、邦江さんは大丈夫だって」

花谷さんは差し出す花束を見て、さらに苦笑い。
無理もない。ほんのに三本程度の花をと頼んでいたはずなのに、用意されていたのが一抱え
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